栃ノ心、初V王手 1敗死守!母国ジョージアの家族に吉報必ず

[ 2018年1月27日 05:30 ]

大相撲初場所13日目 ( 2018年1月26日    東京・両国国技館 )

逸ノ城(右)を寄り切りで破った栃ノ心
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 マジック「1」が点灯した。栃ノ心が逸ノ城との平幕対決を制して1敗を守った。2敗だった横綱・鶴竜が関脇・御嶽海に敗れたため、栃ノ心は14日目に松鳳山に勝てば初優勝が決まる。平幕優勝となれば、12年夏場所の旭天鵬以来で、15日制では通算20人目。平幕が14日目以前に優勝を決めれば、01年秋場所の琴光喜以来となる。

 栃ノ心が初優勝に王手をかけた。相手は幕内最重量の215キロで今場所好調の逸ノ城。「頭をつけたい」。作戦を十分に練るも、意に反して、いきなり右四つ。胸が合い、左上手を取り合った。重さを警戒するはずが、本能的に自分の形になっていた。柔道で鍛えた約90キロの握力を生かし、上手を引きつけて前に出ると巨体がズルズルと後退。最後は相手の上手を切って、ねじ伏せた。

 「自分の相撲が取れてよかった。勝てると楽しいですね。勝てると(15日間が)短く感じる。全然疲れない」

 徒歩で部屋へ帰る途中、1差で追っていた鶴竜が負けたことを知った。口を真一文字にした後、「明日のことは明日。今日はゆっくりするよ」と不敵な笑みを浮かべた。13日目終了時点で、2差から逆転優勝を許した力士はいない。さらに、この時点での平幕単独トップは過去16人。そのうちV逸したのは2人だけと、データ上は限りなく賜杯に近づいている。

 故郷も沸いている。栃ノ心によると、家族が住む母国ジョージアでもテレビや新聞が大きく初場所を報道。「こんなことはなかった」。連日、テレビ電話でニノ夫人と生後3カ月の愛娘、アナスタシアちゃんと話してリラックス。両親も興奮気味で、入門時に泣いて反対したという母のヌヌさんは、今は息子の活躍にうれし涙を流しているという。

 注目の14日目は松鳳山とぶつかる。「普通にやれば勝てる。緊張しないのはイヤ。少し緊張する方がいい」。1972年初場所の栃東(先代玉ノ井親方)以来、46年ぶりに春日野部屋に優勝をもたらす。

 ▼春日野親方(栃ノ心の師匠、元関脇・栃乃和歌) がっぷりになってマズいと思ったけど、気迫があった。(V目前で)こっちが緊張します。

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