鬼塚専用“虎の穴”完成!福島に平昌五輪仕様のジャンプ台用意

[ 2018年1月23日 05:30 ]

アルツ磐梯で練習を公開した鬼塚
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 スノーボードのスロープスタイルとビッグエアで平昌五輪代表となっている鬼塚雅(19=星野リゾート)に専用の“虎の穴”が完成した。22日に福島県磐梯町のアルツ磐梯で練習を公開し、「雅(みやび)パーク」と名付けられた練習コースがお披露目された。鬼塚のリクエストによって平昌五輪仕様のジャンプ台やレールが用意されたもので、メダル獲得のために最高の環境が整った。

 そびえる磐梯山をバックに鬼塚が飛んだ。滑り降りるたびに待ち構えるスノーモービルで斜面を上がり、効率的に本数を重ねた。これ以上ない練習環境に「五輪に向けて足りないものはない。ワクワク感しかない」と声を弾ませた。

 福島と平昌はほぼ同じ緯度にあり、時差はない。生活環境も海外とは比べようもない。「五輪前に日本で練習すればいいことだらけ」と昨年9月に練習拠点の造成を依頼し、快諾してもらった。昨年末から始まった 工事では「大型ダンプ100杯分」(スキー場関係者)という約7000立方メートルの大量の雪を寄せ固めて、世界大会規模の20メートル級のジャンプ台が完成した。

 サイズだけでなく、鬼塚が求めたのは平昌五輪のスロープスタイルで採用される斜めに傾いたジャンプ台だった。世界的に有名なオーストラリア人デザイナーの助言も仰ぎ、飛び出し角などの細部にもこだわって、この日初めてトライ。「感触は凄く良かった」と不慣れなアイテムも問題なくこなした。障害物セクションの長さ20メートルのレールも平昌仕様で、年明けから大会出場を控えているのもこの環境があればこそだ。

 15年に世界選手権を制したスロープスタイル(予選11日、決勝12日)と新種目のビッグエア(予選19日、決勝23日)は中6日あり、その間に一時帰国して調整することもできる。この日着用した黒のつなぎは日本代表の本番用ウエア。「ここでの練習を生かして金メダルを獲れるように頑張っていきたい」と身も心も五輪に染めていく。 

 ◆鬼塚 雅(おにつか・みやび)1998年(平10)10月12日生まれの19歳。熊本市出身。5歳の時にスノーボードを始め、8歳でスノーボード用品最大手の「バートン」と契約。16歳3カ月で出場した15年世界選手権スロープスタイルで金メダルを獲得した。熊本・ルーテル学院高出、早大在学、星野リゾート。1メートル58、47キロ。

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