大砂嵐を書類送検へ 出場停止必至…厳罰・引退勧告の可能性も

[ 2018年1月23日 05:30 ]

昨日、報道陣の前で唇をかみ締める大砂嵐
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 西十両8枚目でエジプト出身の大砂嵐(大嶽部屋)が乗った車が長野県内で別の車に追突した事故で、長野県警が道交法違反(無免許運転)容疑で大砂嵐関を書類送検する方針を固めたことが22日、分かった。日本相撲協会は大砂嵐について、長野県警の捜査を最優先し、処分は初場所終了後に検討する方針を示した。「出場停止」は必至な状況で、「引退勧告」などの厳罰となる可能性もある。

 捜査関係者らによると、大砂嵐は今月3日、長野県山ノ内町の奥志賀高原スキー場近くで無免許のまま車を運転した疑いが持たれている。長野県警は、大砂嵐本人が運転していたが、有効な運転免許証を所持していなかったとみて調べている。

 同県警が書類送検する方針を固めた一方で、大砂嵐の代理人の長谷一雄弁護士は、運転していたのはエジプト人の妻だったと主張。「報道が一方的になされた。大変遺憾」と述べている。日本相撲協会が21日に行った事情聴取でも大砂嵐は「妻が運転していた。事故が起き妊娠中の妻をかばおうと運転席に移った」と話したという。

 証言が食い違っていることもあり、相撲協会も対応に苦慮。まずは捜査を最優先する方針で、春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)は「警察の最終的な聴取結果を待ち協会としての処分方針を決める」と述べた。

 相撲協会は内規で現役力士の運転を禁じている。最近では07年4月に信号待ちの車に追突した幕内・旭天鵬(現友綱親方)が同年夏場所の出場停止と3カ月30%の減給。00年12月に女性をはねて死亡させた幕内・闘牙(現千田川親方)は、2カ月の自宅謹慎で01年初場所は出場辞退、3カ月20%の減給の処分を受けた。前例を当てはめれば、大砂嵐が書類送検された場合、出場停止は避けられない。無免許運転であることを考えれば「引退勧告」などの厳罰となる可能性も出てくる。

 相撲協会はこの日、大砂嵐の休場を発表した。不戦敗で8敗目となり、春場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)は幕下に落ちることが確実となった。処分の軽重によっては、番付を落とすだけでなく、引退を余儀なくされる。

 ▽日本相撲協会の処分 賞罰規程の第3章「懲戒」に定められている。親方、力士ら協会員への処分は、軽い順に「けん責」(将来を戒める)、「報酬減額」、「出場停止」、「業務停止」(協会事業への従事を停止する)、「降格」、「引退勧告」、「懲戒解雇」の7項目。引退勧告後、速やかに引退届を提出しない場合は解雇に準じて取り扱う。旧規程で最も重い除名は、公益財団法人移行後の現行規程からなくなった。

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2018年1月23日のニュース