稀勢リベンジ1勝 結びで決めた7場所ぶり横綱・大関陣安泰

[ 2018年1月16日 05:30 ]

大相撲初場所2日目 ( 2018年1月15日    東京・両国国技館 )

観客に拍手されながら久々の懸賞を受け取った稀勢の里は大事そうに脇に抱えて引き揚げる
Photo By スポニチ

 横綱・稀勢の里が18年初白星を挙げた。初対戦だった昨年九州場所で金星を与えた平幕・北勝富士に頭で当たってから休まず攻め、左四つに組み止めて寄り切った。他の横綱は、白鵬が平幕・逸ノ城との長い相撲を制し、鶴竜は新小結の貴景勝を一蹴。豪栄道、高安の両大関も勝ち、16年九州場所5日目以来となる上位安泰となった。

 気迫を前面に出し、連敗を阻止した。まずは立ち合いだ。珍しく頭から当たり、先手を取って前に出た。初日は貴景勝のとったりに屈したが、この日は左腕を手繰られても慌てなかった。体勢を立て直して突いて出る。向正面に押し込んだところで万全の左四つとし、胸を合わせて寄り切った。結びに登場した稀勢の里の勝利により、3横綱、2大関は安泰。勝ち名乗りを受ける和製横綱には、大きな拍手が送られた。

 悔しさをかみしめた初日から一転、18年初勝利を挙げ、支度部屋でも落ち着き払っていた。胸ではなく頭から当たったことについては「いろんな流れがありますから」と話した。黒星発進からしっかり立て直したことには「しっかり集中したところです」と答えた。

 九州場所の休場理由だった腰痛、左足首痛が回復に向かったことで、尾車部屋と八角部屋へ出稽古を敢行し、北勝富士とも胸を合わせていた。そこで対策は出来上がった。九州では左差しにこだわったところをおっつけられ、つかまえきれずに敗れた。この日は、前回と逆の左足で踏み込んで、相手の右おっつけを封じる攻めに出た。北勝富士の師匠である八角理事長(元横綱・北勝海)は、「(稀勢の里は)出稽古の成果が出た。気持ちが入っていた」と評価した。

 九州場所は北勝富士戦から3日連続金星配給となり、4場所連続の休場を強いられた。その“元凶”に雪辱し、復活への一歩を踏み出した。“ホッとしたか”と問われると「今日は今日ですから」と話し「まだまだ、これから」と付け加えた。終わった取組に一喜一憂せず、次の一番に向けて集中していく。

 ▽上位陣の全勝 横綱、大関が全員出場した上で安泰だったのは、16年九州場所5日目以来、7場所ぶり。この場所は3横綱(日馬富士、鶴竜、白鵬)、4大関(豪栄道、稀勢の里、琴奨菊、照ノ富士)。5日目は4大関が全て勝った後に、日馬富士が平幕・遠藤を押し出し、白鵬は平幕・栃煌山を突き落とし。結びは鶴竜が上手投げで関脇・隠岐の海を退けた。

続きを表示

2018年1月16日のニュース