東海大仰星 逆転V!大阪決戦制した 河瀬決勝T、父子日本一

[ 2018年1月9日 05:30 ]

第97回全国高校ラグビー決勝   東海大仰星27―20大阪桐蔭 ( 2018年1月8日    花園ラグビー場 )

<東海大仰星・大阪桐蔭>大阪対決を制して優勝を決め、歓喜に沸く河瀬(右から3人目)ら東海大仰星フィフティーン
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 東海大仰星(大阪第2)が初優勝を狙った大阪桐蔭(大阪第1)に27―20で勝ち、2大会ぶり5度目の頂点に立った。最大10点差を逆転し、19大会ぶり2度目の大阪勢同士の決勝を制した。昨年の決勝で痛恨のミスを犯したWTB河瀬諒介(3年)が決勝トライを挙げ、元日本代表の父・泰治さん(58=摂南大監督)に続き、父子日本一を達成した。

 勝利インタビューを受ける東海大仰星・湯浅大智監督の目から涙があふれ出した。「本当に彼らを信じていたのでうれしい。生徒にありがとう、と言いたいです」。36歳にして監督として3度目の栄冠。早くも名将の域に達した。

 持ち味の展開ラグビーで相手をのみ込んだ。後半8分に10―20とされてから3連続トライ。ハイパントとモールに活路を求めた大阪桐蔭とは対照的に、ボールを動かし続け優勝をもぎ取った。「自分たちが攻めればトライまで行ける自信があった」と後半23分に決勝トライを挙げたWTB河瀬は胸を張った。

 一歩間違えれば、悲劇のヒーローだった。トライ直前まで4本のGKを外していた。「かなり焦りました」。昨年決勝の東福岡戦(21―28)は敵陣深くでノックオンをし、試合を終わらせてしまった。またも襲った負の流れ。だが、78年に大工大高(現常翔学園)で優勝。明大、そして日本代表にもなった名フォワードで“怪物”と呼ばれた泰治さんを父に持つ河瀬は、土壇場で名誉を回復した。

 父はいつも河瀬を温かく見守ってくれたという。「普通のお父さん。気を使わずにラグビーをさせてくれた」。だから高校に続き、父のライバル校の早大に進学する道を選ぶことができた。

 50メートル6秒0を誇る河瀬は、今大会初めて1学年上の先輩からもらった黒のスパイクを履いていた。「去年のことは一生背負うこと。今年は今年で優勝できて良かった」。苦い記憶を振り払って父子日本一にたどり着いた。

 ▽東海大仰星 1983年に東海大の付属校として創設された私立校。翌年創部のラグビー部は元日本代表の大畑大介ら有力選手を輩出しており、柔道部やサッカー部も盛ん。野球の上原浩治もOB。

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