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青学大・原晋監督の柔軟な発想に驚嘆 来季の出雲駅伝が楽しみ

4連覇を伝えるスポニチ本紙を手に喜びを語る(左から)田村、原監督、下田        
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 【藤山健二の独立独歩】今年の箱根駅伝でもやっぱり青学大は強かった。往路Vこそ東洋大に譲ったものの、復路は山下りの6区であっさり逆転。その後も一方的に後続との差を広げ、終わってみれば2位に4分53秒の大差を付ける圧勝だった。

 歯に衣着せぬ物言いで毎回物議を醸す原晋監督だが、今回も「えっ!?」と驚かされる発言があった。レースの翌日、距離の短い出雲駅伝で勝つために「チーム内のスピードランナーを集めて強化するというような方法も必要なのではないか」と話したのだ。

 駅伝に詳しいファンならご存じの通り、学生三大駅伝の中でこの箱根は圧倒的に距離が長い。出雲は6区間45・1キロで最長区間は10・2キロ、全日本は8区間106・8キロで最長は19・7キロなのに対し、箱根は10区間217・1キロ、すべての区間が20キロ以上ととてつもなく長い。

 青学大、神奈川大とともに3強と言われた東海大は普段からスピード練習に重点を置き、そのスピードを生かして距離の短い出雲では見事に青学大を破ったが、出雲の4倍以上の距離がある箱根では1区で7位と出遅れ、一度も先頭争いに絡めないまま5位に沈んだ。逆に箱根に備えて長い距離を踏む練習を繰り返してきた青学大は出雲では敗れたものの、往復200キロを超す長丁場の箱根路では無類の強さを発揮して見事に4連覇を達成した。

 もちろん、スピードと持久力の両方を兼ね備えたランナーがたくさんいれば何の問題もないのだが、学生のレベルでそれを求めるのは難しい。実業団にもそんな選手はほとんどいないのが実情なのだ。そもそもスピード強化と持久力向上のためのトレーニングとではまったく内容が異なる。世界の長距離界はスピード化が進んでいるとはいえ、将来マラソンを走るためには持久力も欠かせない。どちらに重点を置くかはこれまでも多くの指導者が悩んできたことで、今回の出雲と箱根の結果はそれぞれの考え方が如実に現れたと言ってもいいだろう。

 そこに今回の原監督の発言だ。出雲はスピードランナーを集めて走らせ、箱根は持久力のある別の選手を使う。同じ選手が両方の駅伝を走るのではなく、チームを2つに分けてそれぞれの特徴を生かして戦う。これならどちらの練習に重点を置くか悩む必要はないし、箱根ではなかなか出番がなかった短い距離専門の選手たちのモチベーションにもつながる。まさに一石二鳥の妙案だ。

 原監督の柔軟な発想にはいつも驚かされる。もちろん、選手層の厚い青学大ならではの発想で、他校ではまず不可能だ。将来のマラソンを考えればそれでいいのかという批判もあるだろう。だが、みんながみんなマラソン選手を目指すわけではないので、分業制はありだと私は思う。今年はどんな原マジックが飛び出すのか。期待を込めて見守りたい。(編集委員)

 ◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。

[ 2018年1月6日 11:00 ]

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