白鵬、横審の前で“張り手”北の富士氏苦笑い「不届き者だね」

[ 2018年1月6日 05:30 ]

横審稽古総見でと正代(左)の顔を張る白鵬
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 大相撲初場所(14日初日、両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が5日、東京・両国国技館の相撲教習所で行われ、横審から荒々しい取り口に苦言を呈されていた横綱・白鵬(32=宮城野部屋)は、平幕・正代(26=時津風部屋)を相手に、指摘を受けた張り手も交えて7戦全勝。元横綱・日馬富士の暴行事件に絡み初場所は“無給”となるが、史上最多40度の優勝を誇る最強横綱は、やはり中心的存在となりそうだ。

 黙々とすり足などの基本運動を続けていた最強横綱は、横綱、大関による申し合いが行われている最中に、八角理事長(元横綱・北勝海)から声を掛けられた。「白鵬、取らなきゃ」。土俵に上がることを促されると、テーピングなどの準備をしていなかったにもかかわらず、正代を指名して7番取った。この日が今年の稽古始めで、12月26日の番付発表後に相撲を取るのも初めてだったが、左上手投げ、右上手を引きつけての寄りなどで全勝。稽古後は「いい汗をかきました」と話して車に乗り込んだ。

 元横綱・日馬富士の暴行事件で揺れた昨年11月の九州場所。その中で横綱の威厳を示して40度目の優勝を飾った白鵬だが、その取組内容は物議を醸していた。12月20日の横審の会合後の会見では、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)が取り口に言及。立ち合いで肘をぶつけるかち上げや張り手について「横綱相撲とは到底言えない」「美しくない」「見たくない」などの投書を引用し、異例の苦言を呈した。

 それでも白鵬は6番目の相撲で右から張って出た。だが“おとがめ”はなし。解説者の元横綱、北の富士氏は「不届き者だねえ。あれだけ注意されたのに、けんかを売ってんのかなあ」と冗談交じりに苦笑い。他の6番は体ごとぶつけていったこともあり、北村委員長も「本場所でもああいう立ち合いをやればいい。引っぱたいたりばかりしないで」と理解を示した。

 白鵬は暴行事件の発生および進展を抑えられなかったとして、日本相撲協会から1月の給与(282万円)の全額、2月の給与の50%(141万円)不支給の処分を受けた。だが、年末年始の沖縄県での休暇を経てリフレッシュ。八角理事長は大関と稽古するよう求めただけに「勘違いしたのかな」と残念そうだったが、相撲内容には「いつも通り。余裕がある感じ」と捉えていた。

 初場所では横綱在位63場所となり、史上最多の北の湖に並ぶ。強さだけでなく品格も求められる横綱は、やはり話題の中心になりそうだ。

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