青学 逆転4連覇、史上6校目「ハーモニー大作戦」お見事奏功

[ 2018年1月4日 05:30 ]

第94回箱根駅伝復路 ( 2018年1月3日    箱根・芦ノ湖~東京・大手町、復路5区間109・6キロ )

ガッツポーズでゴールする青学大の10区・橋間
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 往路2位の青学大が、復路を5時間28分34秒で制し、総合10時間57分39秒の大会新記録で東洋大を逆転。2002〜05年の駒大以来、史上6校目の4連覇を達成した。6区(20・8キロ)の小野田勇次(3年)が区間賞の走りで逆転に成功。7区(21・3キロ)の林奎介(3年)は区間新記録の快走で差を広げた。大学駅伝2連敗で迎えた今大会は「ハーモニー大作戦」と銘打ちチームの調和を重視した戦いが見事に奏功した。

 無傷で卒業する4年生。そして、先輩の背中を追ってきた3年生が箱根で最高の“ハーモニー”を奏でた。V4で創部100周年のメモリアルイヤーの幕開け。今季駅伝2連敗を受け、調和を重視した「ハーモニー大作戦」で臨んだ原晋監督(50)は「学生こんなに強かったですかね。原監督だけの力では無理です」と笑いが止まらない。青学大の「歓喜の歌」が新春の大手町に響き渡った。

 勝負を決定づけたのが、7区で区間新記録を叩き出し、2位の東洋大と3分28秒差をつけた林奎介だ。原監督が「あんな力があったかなと思いました」と驚く快走。最優秀選手賞に当たる金栗四三杯を獲得し、一躍ヒーローとなった林は「レース前は考えてもいなかった。素直にうれしい」と笑みを浮かべた。

 たすきを受け取った8区の下田裕太(4年)はその時点で勝利を確信。「林ありがとー!無敗で後輩たちにつなげてあげたかった」と区間記録も狙えるペースで飛ばし、20キロすぎにはサングラスを取って沿道へ笑顔を見せ、逃げ切り態勢を敷いた。

 今の選手にとって箱根駅伝は勝つべきもの。ただ、今季は出雲、全日本と2連敗してチームにも危機感が芽生え始めた。そのチームを支えたのは4年生たちだった。吉永竜聖主将(4年)は「今季は3冠したチームほどの力はない。休養日にも陸上の時間をつくる人数がここ数年で一番多かった。勝ちにいかなければと、一人一人努力してきた」と意欲的に練習に取り組んだことを明かす。

 吉永主将は一般企業に就職予定で、陸上は大学まで。今回は最初で最後の箱根となるはずだったが故障の影響で当日変更された。それでも腐らず「これまで強いチームを見てきたし、これで崩したくなかった。負けると常勝にまた遠のいてしまう」とサポート役に回り、4連覇へのハーモニーを体現。今季前半戦をケガで出遅れたエース田村和希(4年)も「故障で自分のことしかできなかった。ほかの4年に引っ張ってもらった。最高の同期です」と感謝する。

 5連覇へのたすきは下級生に託された。林は「今の実力に満足せずに5連覇を目指したい」。先輩が築いた優勝の礎は、確実に青学イズムとして脈々と受け継がれる。

 【4連覇までの軌跡】

 ☆15年(10時間49分27秒、往路1位5時間23分58秒、復路1位5時間25分29秒)2位でたすきを受けた5区の“山の神”神野大地が区間トップの快走で、駒大を抜いてトップに立って往路初優勝。復路もトップを譲らず、2位に10分以上の大差をつけて初優勝した。

 ☆16年(10時間53分25秒、往路1位5時間25分55秒、復路1位5時間27分30秒)1区の久保田和真がトップに立つと、そのまま逃げて完全優勝。往路、復路ともに一度も先頭を譲らない優勝は77年の日体大以来39年ぶりだった。

 ☆17年(11時間4分10秒、往路1位5時間33分45秒、復路1位5時間30分25秒)2位でたすきを受けた3区の秋山雄飛が2年連続区間賞の快走でトップに立ち、そのまま逃げ切って3連覇。史上4校目の大学駅伝3冠を達成した。

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