山梨学院大“黄金世代”最後の箱根駅伝 願い叶わなかった仲間たちの分も

[ 2017年12月26日 11:30 ]

<箱根駅伝予選会>力走する山梨学院・上田(右から2人目)
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 クリスマスの時期になると、丸刈り集団が集う古都・京都。毎年恒例となった全国高校駅伝だ。高校生ランナーたちが都大路を快走する姿を見ると「もう今年もおしまいだなぁ」と思う。

 4年前、その都大路で“黄金世代”を取材した。今年の出雲駅伝優勝の立役者となった東海大のそれではなく、13年に初優勝を飾った山梨学院高の駅伝チームだ。男子の64回大会は史上初の4チームによるトラック勝負にまでもつれ込んだ伝説的な大会だった。

 長年にわたり山梨学院大で陸上部の指揮を執る上田誠仁監督の次男、上田健太を筆頭に、市谷龍太郎、河村知樹、西山令、矢ノ倉弘。この同級生5人が中心となって初優勝をつかみ取った。

 卒業後は全員が「箱根駅伝で優勝」を目標にそのまま山梨学院大に進学。まさに“黄金世代”と呼ぶにふさわしい経歴をひっさげて大学陸上界での活躍が期待された。

 そこから早4年。黄金世代たちも大学4年となり、最後の箱根駅伝を迎えた。エントリー締め切り日の10日早朝に山梨県甲府市の緑が丘スポーツ公園で行われたメンバー発表で主務が読み上げたメンバーの中に、西山と矢ノ倉の名前はなかった。

 5人での箱根駅伝出場は叶わなかったが、5人で箱根駅伝優勝という夢がついえたわけではない。2人の思いを背負って走る、もう一つの“黄金世代”にも注目していきたい。(記者コラム・河西 崇)

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