阿炎が新入幕 初場所の目標は「三賞2つ」師匠の錣山親方は増量要求

[ 2017年12月26日 17:51 ]

新入幕の阿炎(左)は番付を手に錣山親方と笑顔を見せる
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 西十両5枚目だった九州場所で11勝を挙げた23歳の阿炎(あび、錣山部屋)が新入幕を果たした。錣山部屋からは、元関脇・寺尾の現師匠が2004年1月に部屋を起こしてからは、豊真将、青狼に続いて3人目の幕内力士。埼玉県出身では16年九州場所の北勝富士以来で、戦後11人目となった。

 東京都江東区の錣山部屋で会見に臨んだ阿炎は新番付を手にし「字が大きくなってうれしい」と喜んだ。

 13年夏場所の初土俵から所要11場所の15年春場所に、20歳の若さで新十両昇進となった。だが、わずか4場所で陥落。「すぐに幕内に行けると思って調子に乗っていた」。1年以上も幕下での生活を強いられる中、昨年九州場所から横綱・鶴竜の付け人となったことが再浮上のきっかけになった。「取組前の気持ちの作り方など、凄いと思うことが多かった」。花道で全身をさわる所作などを真似するなど、相撲に真摯(しんし)に取り組む横綱から多くを学んだ。

 相撲教習所で同時期に学んだ阿武咲や貴景勝ら自分より年下の力士がぐんぐん番付を上げていくのも刺激になった。阿武咲が初めて横綱に勝った時(今年秋場所5日目・日馬富士戦)は「うれしくて、悔しくて泣いた」という。闘争心に火が付き「前に出ようという気持ち」が強くなった。

 師匠の錣山親方は「阿武咲、貴景勝と相撲が取れるところくらいまで上がり、そこで切磋琢磨(せっさたくま)していければ、相撲界も面白くなる」と期待する。幕内で闘っていくポイントについては「あと5キロくらい、筋肉で大きくしていくこと」と141キロからの増量を求めた。

 初場所の目標を聞かれた阿炎は「三賞を全部獲りたい」と言い切った。師匠から横綱と当たらないと殊勲賞はないと指摘されると「三賞2つでお願いします」と下方修正して報道陣を笑わせていた。

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