花織、逆転許し2位「何で〜」五輪出場へ24日運命の代表発表

[ 2017年12月24日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第3日兼平昌冬季五輪代表最終選考会 ( 2017年12月23日    東京都調布市・武蔵野の森総合スポーツプラザ )

キス&クライで2位に天を仰ぐ坂本(右)
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 ショートプログラム(SP)1位の坂本花織(17=シスメックス)がフリー4位の139・92点、合計213・51点で2位となり、五輪代表入りへ猛アピールした。グランプリ(GP)ファイナルに出場しているSP4位の樋口新葉(16=東京・日本橋女学館高)は合計206・96点で4位に踏みとどまった。五輪2枠目は勢いの坂本か、実績の樋口か。平昌(ピョンチャン)五輪代表は男女とも24日に発表される。

 合計213・51点の2位がアナウンスされると、場内には「え〜」という声が響いた。坂本の口からも思わず「何で〜」と不満が漏れた。思いのほか得点は伸びず、初優勝を逃したが、最終滑走で観客を魅了する圧巻の演技だった。

 「燃え上がる感じが出るかな」と初着用の“赤の勝負服”でフリー曲「アメリ」に臨んだ。最初の2連続3回転ジャンプの回転不足が気になって「ヒヤヒヤして、後は覚えていない」。緊張で頭が真っ白になりながらも、高い運動能力を武器にジャンプを大きなミスなくまとめていった。

 中2でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を習得しようとして、猛練習がたたって右すねを疲労骨折したことがある努力家。フランス人振付師による複雑なプログラムに、今季シニアデビューの17歳は当初、戸惑っていたが、大事な全日本できっちり仕上げた。めったに褒めない中野園子コーチが「トリはきつい。普通はつぶれる。よく頑張った」と称えた。

 今季前半、テレビで流れるGPシリーズのニュースには他の選手の活躍ばかりが取り上げられた。「また私だけ映っていない」。悔しさをバネに最終戦のスケートアメリカで2位。その自信を胸に伏兵的存在から五輪を射程に捉えた。「全部出し切れたので良かった。ちょっと可能性が見えてきたかな」。勢いの良さをアピールした17歳は運命の一日を待つ。

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