貴親方の聴取また“空振り” 危機管理委員長「「そのうち」も… 

[ 2017年12月22日 05:30 ]

警察が誘導するなか、部屋を出る貴乃花親方
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 元横綱・日馬富士(33=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ)の暴行事件を受けて、日本相撲協会の危機管理委員会による貴乃花親方(元横綱)の聴取は21日も実施されなかった。全協会員参加の研修会が東京・両国国技館で開かれ、危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)、貴乃花親方も参加。秋巡業中に起きた事件の報告義務を怠ったことについて聴取できるタイミングだったが、20日に続いて“空振り”となった。

 両国国技館のアリーナに親方、力士ら約1000人の協会員を集めて実施された研修会。暴行事件の被害者である平幕・貴ノ岩は入院中のため不参加だったが、師匠の貴乃花親方は他の理事らとともに最前列に陣取った。評議員会の池坊保子議長(元文部科学副大臣)の冒頭のあいさつは、鋭い眼光で見つめながら聞き入った。研修会が終わると、いち早く引き揚げ、東京都江東区の貴乃花部屋へと戻った。前日に続き、報道陣の質問には無言を貫いた。

 危機管理委員会による貴ノ岩の聴取を断り続けていた貴乃花親方だが、19日に協力することを決め、同日に聴取は終了した。これで暴力問題に絡む関係者で聴取できていないのは貴乃花親方だけ。貴乃花親方の処分は28日の臨時理事会まで先送りとなった。危機管理委は早急な聴取を目指し、20日の臨時理事会の終了後に打診したが、所用により断られていた。それから一夜明け、高野委員長と貴乃花親方は再び顔を合わせたが、聴取までには至らなかった。

 28日まで時間はあるが現時点では日程調整ができていないもよう。高野委員長は「そのうちあるんじゃないですか」と話し、日程調整できているのかと問われると、手を左右に振って決まっていないことを示唆した。

 秋巡業中に起きた暴行事件で、貴乃花親方は鳥取県警に貴ノ岩の被害届を出しても、相撲協会には報告しなかった。第三者である警察の捜査に全てを任せたいという思いからの行動とみられるが協会は問題視している。関係者によれば、臨時理事会では貴乃花親方が自身の行動の正当性などを記した10ページ以上の書面を提示。また、部屋持ち師匠ではただ一人、出していなかった協会との雇用関係などを定めた誓約書を19日に提出したというが次の臨時理事会まで聴取は実現するのか、不透明な状況は続いている。

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