沙羅 W杯0勝も3つの“あ”強調「焦らず、慌てず、諦めず」

[ 2017年12月20日 05:30 ]

「SNOW JAPAN」Tシャツのバックプリントの自分の名前を指さす高梨
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 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(21=クラレ)が19日、欧州遠征を終えて羽田空港に帰国した。W杯では開幕から個人戦4戦未勝利での越年が決定。女子W杯が始まった2011〜12年シーズン以来の事態に「焦らず、慌てず、諦めず」と3つの“あ”を強調した。年末は地元北海道で集中練習を行い、来年1月6、7日のW杯(ルーマニア)から反転攻勢に打って出る。

 戦いの構図は一変した。常に圧倒的な優勝候補だったこれまでと違い、ルンビ(ノルウェー)、アルトハウス(ドイツ)という「2トップ」に歯が立たずに年内の日程は終了。内心じくじたるものがあるはずだが、帰国した高梨は「平昌にピークを持っていくのにこの後が大事。焦らず慌てず諦めずにいきたい」と穏やかな口調で語った。

 「明確に反省点が見つけられた」と課題に挙げたのは、フォーム固めの“飛び込み”不足だった。開幕前のフィンランド合宿は天候に恵まれず、例年は「50〜60本は飛べている」という練習量が半分程度しかこなせなかった。開幕3連戦後に行った合宿も雨にたたられ、1日しか飛べなかったという。重視する助走時の足裏の感覚が定まらないまま、出たとこ勝負のジャンプを繰り返す悪循環。踏み切りのタイミングは合わず、助走速度も伸び悩んだ。

 その課題を解消するために年末は地元北海道で集中練習を行う。札幌・宮の森のジャンプ台がオープンする25日から30日までの期間に「合計30本は飛びたい」とジャンプ練習に費やす構えだ。年明けのルーマニアでのW杯も、日本勢で唯一志願の参戦。過去6戦で優勝4回、2位2回と得意のジャンプ台とあって、感覚を取り戻すにもうってつけだ。

 昨年は「広」を選んだ今年を表す一字には「平昌を目指して改めて感じたことが多かった」と「改」を選んだ。「平昌での金メダルを目指している以上、高い壁(ルンビとアルトハウス)にかみついていかないといけない」と年の瀬まで改善に取り組み、改めて新年の戦いへの備えを進める。

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