貴、伊勢ケ浜親方 理事解任協議も 20日横審&臨時理事会

[ 2017年12月20日 05:30 ]

貴乃花親方
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 元横綱・日馬富士(33=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ)による暴行事件で、日本相撲協会は20日、臨時理事会で関係者への処分を下す。日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方(57=元横綱・旭富士)と、協会への報告義務を怠った貴乃花親方(45=元横綱)はともに理事の解任(降格)を含めた処分が協議される見込みで、理事会の出す結論に注目が集まる。

 前代未聞の現役横綱による暴行事件が発覚した11月14日から36日。注目の臨時理事会が20日に行われる。協会関係者によると、今回の暴行事件の加害者である元日馬富士の師匠だった伊勢ケ浜親方は、監督責任が問われる。さらに被害者である平幕・貴ノ岩の師匠の貴乃花親方も処分の対象になる見込みだ。ともに理事の解任を含めた処分が協議されるという。

 貴乃花親方は巡業部長として秋巡業に参加し、その期間中だった10月25日夜から26日未明にかけて暴行事件は起きた。貴乃花親方は数日後にその事実を知りながら、すぐには日本相撲協会に報告せず10月下旬に鳥取県警に貴ノ岩の被害届を出した。日本相撲協会に鳥取県警から連絡があったのは11月2日。報告義務を怠ったことに関して、処分が下されるもようだ。

 ただ、調査している危機管理委員会(高野利雄委員長・元名古屋高検検事長)が、被害者の貴ノ岩を聴取できていないため、師匠に当たる貴乃花親方への処分については、理事会出席者らから「最終報告ができないのであれば、処分決定を持ち越してはどうか」との意見も出ている。また、不祥事の責任を取り、八角理事長(元横綱・北勝海)ら協会執行部は報酬減額を軸とした処分を申し出る可能性がある。

 一方、相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会は、事件が起きた酒席に同席した白鵬、鶴竜の両横綱も暴行を止められなかったとして、処分案を理事会に提言するとみられる。危機管理委は、元日馬富士が既に引退しているため処分案は出さないもよう。だが、同様の事態が起きた場合に、協会としてどのように対処するべきかの基準を残すため、臨時理事会では厳しい処分案が議論される見込みだ。

 今回の一件は被害者と加害者間の事件としてだけでなく、問題は各方面へと波及している。日本相撲協会に対しては、事態に迅速に対応できなかったという見方もある。暴行現場にいた力士、巡業部長、加害者の親方だけでなく、処分は八角理事長ら執行部、危機管理委にまで及んでもおかしくない状況だ。

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