同学年のライバル 谷川航が白井健三に植え付けた不思議な感覚

[ 2017年12月12日 10:10 ]

全日本体操団体男子決勝 順大・谷川航の跳馬
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 11月28日、体操の世界選手権祝勝会で、白井健三(21=日体大)がつぶやいた。「国内であまり勝っていないのに世界で勝って祝勝会って、なんか不思議ですよね」。今年は個人総合で銅メダル、床運動はV3、そして跳馬でも初めて世界一に輝いた。

 「国内で勝っていない」という印象は、跳馬で互角と言えるライバルがいたから。同学年の21歳、順大の谷川航(たにがわ・わたる)だ。武器は「ブラニク(前転跳び前方屈身2回宙返り)」。文字ではイメージしづらいので、ぜひ動画で見てほしい。11月の全日本団体の完璧な着地は、個人的に17年体操の名シーンの1つ。15・150点は白井の14・950点を上回った。「ロペス」を跳ぶこともあった個人総合を含め、今季2人の跳馬の国内での対戦成績は3勝3敗1分けだった。

 13年世界選手権、当時17歳の白井は、日本史上最年少で床運動を制した。以降、毎年日の丸を背負い、大舞台で戦ってきた。谷川は「健三は結果を残してきているんで、負けられない」と強く意識している。身近なライバルとの差は、そのまま世界との距離感。「僕もいけるんじゃないか」と自信を見せていた今季、初めて世界選手権に出場した。種目別の床運動、つり輪、平行棒の3種目全てで予選落ちだったが、悔しさと同時に確かな手応えも得た。

 10日、豊田国際の平行棒を制してシーズンを締めくくった。「来年は全部を上げていきたい。跳馬はブラニクをひねるのを個人総合で使いたいと思っている」と、クールな21歳はさらに高難度の技にも意欲を見せる。20年東京五輪へ、体操ニッポンに欠かせない存在になる可能性は十分だ。(杉本 亮輔)

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