【黒岩敏幸の目】進化する小平 男子並みの体つき+氷に刃が接している時間=効率いい加速

[ 2017年12月12日 07:50 ]

スピードスケートW杯第4戦 ( 2017年12月10日    米ユタ州ソルトレークシティー )

女子1000メートル 1分12秒09の世界新で優勝した小平奈緒
Photo By 共同

 30歳を超えてなお、進化している小平は凄い。食事面の改善やトレーニングによって長年の強化が結実した。20代前半の頃はまだ筋力も足りなかったが、今は男子並みの体つきをしている。トレーニングによって下半身が鍛えられ、特に臀部(でんぶ)の形がそれを物語っており、滑りに生きている。

 数年前までは蹴り上げる動作が目立ったが、今は刃が氷に接している時間が長い。氷に力が伝わる時間が長ければ、効率のいい加速につながる。最初から全開だと後半に失速するが、7割程度のパワーで加速できれば最後まで維持できる。心配なのはW杯第3戦であった転倒だが、今回で吹っ切れたと思う。

 来年は小平にとって3度目の五輪。これまで涙も流してきただけに今回の気持ちは並大抵ではない。金メダルは1個しかないが、メダルは3個ある。そのぐらいの気持ちでいけば、必然的に金メダルはついてくると思う。(92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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2017年12月12日のニュース