小平 女子500日本新V&21連勝、低重心走で悪夢振り払う

[ 2017年12月5日 05:30 ]

スピードスケートW杯第3戦 ( 2017年12月3日    カナダ・カルガリー )

スピードW杯第3戦女子500メートルを36秒53の日本新で制し、表彰式で金メダルを胸に副賞の帽子をかぶる小平
Photo By 共同

 最終日が行われ、女子500メートルは小平奈緒(31=相沢病院)が同じリンクで今年2月に出した自身の日本記録を0秒22更新する36秒53で優勝。W杯13レースを含め同種目21連勝とした。女子1500メートルは高木美帆(23=日体大助手)が1分51秒79の日本新記録で開幕3連勝。小平は1000メートルに続き500メートルで、高木美は1500メートルで日本スケート連盟が定めた平昌五輪の代表選考基準を満たし、年末の国内選考会(長野市)出場を条件に五輪代表に決まった。

 前日の悪夢を力強い滑りで振り払った。小平は集中した顔つきでスタートラインに立ち、号砲とともに勢いよく飛び出した。100メートルを自己最速の10秒19で通過。世界記録を持つ同走の李相花(韓国)より0秒16、昨季同じリンクで日本記録となる36秒75を出した時より0秒21速い。ロケットスタートで貯金をつくり、躍動感あふれる滑りで加速した。

 前日の1000メートルで転倒した第1カーブは「しっかり抑えて滑る、スポーツカーのような安定感」をイメージ。重心を低く保ち、そのままの姿勢をキープして乗り切った。バックストレートを過ぎて外側を回る最終カーブは高い姿勢で膨らみ遠回りしたが、それでも日本新が出るほど序盤のスピードが圧巻だった。

 前日の1000メートルで転倒したことが忘れられず、夜中に2度も目が覚めたという。「出し切れなくて、ふつふつとするものがあった」。悔しい思いを、主戦場とする500メートルにぶつけた結果、日本記録を0秒22更新。エースは「ベストが出て良かった」とすっきりした表情だった。

 転倒の影響で首に軽い張りがあったが欠場は全く考えなかった。レース直前まで刃を入念に調整した結城コーチは「立派。こういうところが強さ」と絶賛した。よもやの転倒から一夜明けて立ち上がり、同じく標高の高い米ソルトレークシティーでの第4戦(8日開幕)は李相花が持つ36秒36の世界記録更新に期待がかかる。向上心の塊のような31歳は「楽しみにしている」と目を輝かせた。

 ▽スピードスケート五輪代表への道 W杯4大会の結果により、国・地域ごとの出場枠が決まる。日本スケート連盟は、設定した出場レース数や3位以内の回数などの条件を4大会で満たした各種目の最上位の選手を代表に決定。500メートルは出場5、3位以内3度、1500メートルは出場3、3位以内2度などとなっている。残りの代表は27〜30日の国内選考会(長野市)で決める。

続きを表示

この記事のフォト

2017年12月5日のニュース