門限6時の“ハヌルレラ”キム・ハヌル 悔しさ糧にシンデレラに

[ 2017年12月3日 10:20 ]

LPGAツアー選手権リコー杯最終日の11番、バーディーパットを決められず悔しがるキム・ハヌル
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 「当たり前に悔しいです。でも力は出し切った。それだけは胸を張りたい」

 11月26日、女子ゴルフの17年シーズンが幕を下ろした。賞金ランキングを4位で終えた“スマイル・クイーン”ことキム・ハヌルは力強く言い切った。

 今季は序盤から好成績を残し、6月までに3勝。賞金ランク2位で迎えた最終戦は、優勝しての逆転戴冠に望みを懸けていた。そんなキム・ハヌルの帽子には新しいマーカーがキラリ。韓国語で「ハヌルレラ」の文字が書かれていた。友達から贈られたもので「私のニックネーム」だという。

 父・ジョンヒョンさんのもと、「女の子が遅い時間まで遊んでいてはダメ」と教育され、20歳まで門限は夕方6時だった。いつも時間に追われるように家路を急ぐキム・ハヌルの姿を見て、「まるでシンデレラ。“ハヌルレラ”ね」とあだ名が付けられた。

 12歳でゴルフを始めて以来ゴルフ一筋。「ずっと練習、練習。それしかなかった」と振り返る。女王の座を懸けて戦った最後の舞台で選んだ“ハヌルレラ”のマーカーにはゴルフにすべてを懸けてきた16年分の思いが込められていたのかもしれない。

 最終戦は6位。賞金ランクは4位で初の賞金女王を逃したが、最終日には2つのイーグルを奪い、韓国から駆け付けた応援団を沸かせた。

 17年シーズンを振り返り「あまり意識したくなかったけど、周りからの声はプレッシャーだった」と苦笑いを浮かべた。悔しい経験は、さらに強さと美しさを磨く。“シンデレラ”として賞金女王の冠を戴く日はそう遠くないだろう。(伊藤 靖子)

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2017年12月3日のニュース