暴行問題余波で冬巡業外出制限も 夜間飲み歩きに目を光らす

[ 2017年12月2日 05:30 ]

冬巡業中は門限が決められる可能性も…
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 大相撲の冬巡業は3日から17日まで、九州の10都市で12日間にわたって開催される。元横綱・日馬富士が平幕・貴ノ岩に暴行をはたらいた問題に絡み、貴乃花巡業部長(元横綱)の代理を務める春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)は1日、巡業先での力士の行動を制限する考えがあることを示唆した。暴行問題は秋巡業の期間中の深夜から未明に起きているため、門限が決められる可能性も出てきた。

 暴行問題で揺れる角界が、土俵外の力士の行動も管理していく。日本相撲協会は11月30日の理事会で、貴乃花親方が暴行問題への対応のため冬巡業に不参加となることを発表。それを受けて、巡業部長代理となる春日野広報部長はこの日、冬巡業について言及した。

 「まずは巡業がどうなっているか見てみたい。今までのやり方を180度変えることはない」と基本的にはこれまでのやり方を踏襲する。ただし、暴行事件は秋巡業中だった10月25日夜から26日未明に鳥取市内のラウンジで起きているため、夜間の行動には目を光らせていく。「外出禁止にしたり、門限を決めたりするのか」と聞かれると「何かしら相談しないといけないかな」と力士の行動を制限する考えがあることを明かした。

 15日間、同じ場所で戦う本場所と違い、巡業は興行が終わるとすぐに翌日の開催地へと移動するなど慌ただしい。力士にとって行く先々での食事は楽しみの一つでもあるが、暴行問題が発覚した後の初めての巡業だけに、派手に飲み歩くことができなくなるのは仕方ない。春日野広報部長は「酒ぐらいは飲まないでいこうかな」と巡業の責任者として禁酒する考えだ。巡業の初日か2日目には、巡業に臨む心構えなどについて力士に訓示する。

 暴行問題の影響は巡業先にも暗い影を落としている。勧進元(興行主)の一人は、問題が発覚してから前売り券の売れ行きが落ちたと話す。また、貴乃花巡業部長が不参加になったことを報道で知るなど、相撲協会の対応にも不信感を募らせている。一度失った信用を回復するには時間がかかる。相撲協会にとって、冬巡業は失地回復への第一歩となる。

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2017年12月2日のニュース