松山英樹も小平智も…短期間でエースドライバーのヘッドが割れる理由

[ 2017年12月1日 10:40 ]

パッティンググリーンで小平智(右)と挨拶を交わす松山英樹
Photo By スポニチ

 ドライバーのヘッドが割れるなんて一般のアマチュアゴルファーにとっては非常に珍しい現象だと思うが、ツアープロにとってはそうでもないようだ。もっとも「割れる」と言っても真っ二つになるわけではない。金属疲労によってフェースに亀裂が入ることをそう表現するのである。

 松山英樹のエースドライバーが破損したのは9月のBMW選手権前だ。昨年10月から投入した「キャロウェイ・グレートビッグバーサ」は米ツアー3勝を支えた頼れる相棒だったが、フェースに1センチ弱の亀裂が入った。同じモデルでも重心位置などで微妙な個体差があるため10個以上もテストして、ようやく新エースが決まった。

 小平智のエースドライバーは「プロギアRSドライバーF」。1月から投入し、10月の日本オープンでフェースが割れた。現在は同じモデルの別のヘッドを使用しているが、1つに絞るまでに20個近いヘッドを試した。

 2人ともヘッドの寿命は約10カ月。どうしてそんなに短期間で金属製のヘッドが破損してしまうのか。それはインパクトの強さと精度に関係がある。

 ヘッドスピード秒速50メートル以上のハードヒッターの場合、インパクトの衝撃は1トンとも言われる。その衝撃が1点に集中するから金属疲労を起こすわけだ。

 あるメーカーの担当者によると、プロゴルファーの打点の誤差は2〜3センチだというが、小平の場合は「1センチもずれることはない」(小平のクラブ担当)。そして松山にいたっては「正確な数値ではないけど2〜3ミリではないか」(松山のクラブ担当)というほどの精度を誇る。クラブが割れるということは、高い技術とパワーを兼ね備えている証拠でもあるのだ。

 もし皆さんのドライバーのヘッドに亀裂が入ったら、ラウンド仲間に自慢して良いのかもしれない。もちろんドライバーを買い換えるため出費がかさむことにはなるのだが…。(福永 稔彦)

続きを表示

2017年12月1日のニュース