暴行問題で中間報告、日馬1次会は仲裁 2次会で一転怒り爆発

[ 2017年12月1日 05:30 ]

理事会後の会見で険しい表情の(左から)鏡山理事、八角理事長、尾車理事、高野利雄氏
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 日本相撲協会の理事会後の会見では協会の危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)が中間報告を行った。被害者である貴ノ岩からの聞き取りができていない状況だが「多数関係者の聴取を終えた」とし、「相当程度事実解明にいたっている」と自信を見せた。

 報告書によれば、食事会は鳥取城北高の関係者が卒業生を激励するために開き、高校の関係者も参加していた。1次会の終わりに白鵬が貴ノ岩に対し、9月の都内の飲食店での貴ノ岩の粗暴な言動について説教を始めた。実は、その場は普段から貴ノ岩をかわいがっていたという日馬富士がとりなして収まった。

 2次会に場を移し、白鵬が貴ノ岩と照ノ富士の2人に「相撲を取れるのは高校の先生方にお世話になったから。恩を忘れないように」と話していた。スマホをいじっているのを日馬富士が注意したところ、貴ノ岩は「彼女からのメールです」と苦笑いで応じ、日馬富士は平手で顔面を殴った。

 高野委員長は「そこですぐ謝ればその先に行かなかったと思われるが、貴ノ岩はにらみ返し、謝罪はしなかった」と火に油を注いだとの見解。日馬富士は謝れと言いながら平手で十数回殴り、カラオケのリモコンで頭を数回殴った。この間にシャンパンのボトルをつかんで振り上げたが手から滑り落ちた。ビール瓶での殴打はなかった。日馬富士は日本酒を飲んでいたが、酒には強く、意識ははっきりしていた。

 中間報告は既出の事項を大筋では追認するもの。20日の最終報告に向けては、当事者である貴ノ岩の聴取も大きな影響を与えそうだ。

 【危機管理委員会中間報告(要旨)】

 (1)これまでに把握した概要

 ◇10月25日の食事会は、鳥取城北高校の関係者が、秋巡業に参加していた卒業生の力士を激励するために開いた。食事会には、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、貴ノ岩、石浦のほか、高校の関係者も参加した。

 ◇1次会の終わりごろ、白鵬が、貴ノ岩に対し、9月、都内の飲食店で貴ノ岩が粗暴な言動をしたことについて説教を始めた。その場は、日馬富士が貴ノ岩をかばい収まった。

 ◇2次会は、高校関係者側が企画して横綱たちを誘い行われた。2次会で白鵬が貴ノ岩と照ノ富士の2人に、高校の恩を忘れないように説諭した際、貴ノ岩がスマートフォンをいじっていた。日馬富士は貴ノ岩に対し、謝罪するように言いながら、平手で多数回殴り、さらにカラオケのリモコンで頭を数回殴った。白鵬が止めに入り、日馬富士の暴行は止まった。

 (2)貴ノ岩の負傷

 ◇頭部の裂創はステープラーと呼ばれる医療用ホチキスで縫うケガ。頭蓋底骨折、髄液漏れはいずれも疑い。

 (3)モンゴル力士の交流

 ◇モンゴル力士会と呼ぶ生活互助会があり、会費を集め、ケガをした力士の見舞金や冠婚葬祭の費用などに充てている。モンゴルの病気の子供に寄付するなどのボランティア活動もしている。モンゴル力士は例外なく参加。趣旨は生活互助であって、食事会ではない。

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2017年12月1日のニュース