ジョセフJ ドローも不満 9連敗中フランスに金星あと一歩も「課題山積み」

[ 2017年11月27日 05:30 ]

ラグビーリポビタンDツアー2017   日本23-23フランス ( 2017年11月25日    フランス・ナンテール )

前半、突進するリーチ
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 世界ランキング11位の日本は同8位のフランスに23―23で引き分け、2017年の全試合を終了した。大型選手をそろえ、世界屈指のセットプレーを誇るフランスに対し日本は自陣からも速いテンポのパス回しで攻撃を仕掛けて計3トライ。世界最上位グループのティア1に属する相手からの初勝利は逃したが、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=48)や選手は確かな手応えをつかんだ。

 スタンダードが上がっているからこそ、W杯で準優勝3回の強豪に敵地で引き分けても、心は満たされなかった。主将のリーチは「満足していない」と言い、1トライの堀江は「勝たなあかん試合やったと思う」と悔やんだ。「勝てる内容だった。土台ができ始めている」と選手を称えたジョセフHCも「課題は山積み」と付け加えるのを忘れなかった。

 惜しいシーンはいくつもあった。序盤には連続攻撃でトライに迫りながらも姫野がボールを手放せずに反則。前半終了間際と後半の序盤には、ハイタックルでペナルティーを犯し、その後の失点に直結した。後半20分から10分間は相手が1人少なくなりながらも、再三のチャンスでトライを奪えず。田村が2本外したコンバージョンのうち1本でも決めていれば、日本ラグビーに新たな金字塔が打ち立てられていた。リーチは「精度が低くて得点につなげられなかった」と悔やんだ。

 ただ、攻守ともに世界8位に通用したのも紛れもない事実。特に攻撃面では、昨秋の就任以来ジョセフHCが推し進めてきたキックを多用し効率的に攻め上がる戦術から、パスを主体にテンポ良く攻める戦術に転換。習熟度の低いキックが失点の原因になった6月のアイルランド戦や今月4日のオーストラリア戦から一転、自陣からもパスをつないで攻撃した。後半開始直後には相手キックオフから連続攻撃で攻め上がり、CTBラファエレのトライを生んだ。平均20回とされるキックがこの日は14回だけ。これまでのかたくなな姿勢から現実路線に切り替えての善戦に、指揮官も「ボールキープにこだわったことが奏功した」とうなずいた。

 春には気合不足を指摘したジョセフHCと選手間に亀裂が生じたが、チームも一枚岩になりつつある。19年W杯での8強入りが、現実味を帯び始めた80分間だった。

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2017年11月27日のニュース