稀勢、休場危機!逸に完敗…4個目金星配給 進退問題浮上も

[ 2017年11月20日 05:30 ]

大相撲九州場所8日目   ●稀勢の里―逸ノ城◯ ( 2017年11月19日    福岡国際センター )

4敗目に頭を抱える稀勢の里
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 横綱・稀勢の里が4場所連続休場の危機を迎えた。逸ノ城戦は不十分な立ち合いから後手に回り、一方的に寄り切られた。黒星は全て平幕相手で、1場所4金星配給は秋場所の日馬富士以来。横綱在位5場所目で通算8個目の配給で4勝4敗の苦しい星勘定となった。白鵬は44回目のストレート給金で、年間最多勝争いは50勝でトップの御嶽海に並んだ。

 ショックの大きい黒星だった。東の支度部屋の一番奥の上がり座敷。稀勢の里は風呂から上がっても、敗戦を引きずっていた。「立ち合いで受けてしまったか」と聞かれると「あーっ」と声を発した後に、小さなうめき声を上げた。その後の質問には全て無言。まげを結い終えると、しばらく下を向き、何かを考えているようなしぐさを見せた。

 全く相撲にならなかった。立ち合いは左を固めて当たっていったが、右足の踏み込みが不十分で、逸ノ城の押しにずるずると後退した。土俵際でもろ差しを許すと、反撃できずに力なく土俵を割った。両手を腰に当てると、首をひねって下を向いた。

 7日目の北勝富士戦に続く連敗で、4勝4敗。黒星はいずれも平幕相手だ。秋場所では日馬富士が1場所4金星を与えながら11勝4敗で優勝したが、それは混戦だったからなし得たもの。トップを走る白鵬とは4差に開いた。この日の朝稽古後は「ここから初日と思ってやるだけ」と明るい表情で心機一転を強調した。横綱土俵入りの三つぞろいの化粧まわしは、郷土後援会のものに替えたが、結果には結びつかなかった。

 春場所で左上腕などを負傷した影響で、万全の状態ではなかった夏場所ですら、4敗目を喫したのは10日目。11日目から休場した。自身初の全休明けとなる今場所は「いい状態に仕上がった」と自信を持って臨んだだけに、負けが込むのはより深刻だ。4場所連続休場となれば、進退問題が浮上しかねない。稀勢の里はまたしても窮地に追い込まれた。

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2017年11月20日のニュース