安美錦 不動心の5連勝「冷静に我慢できた」、騒動にも負けず

[ 2017年11月17日 05:30 ]

大相撲九州場所5日目 ( 2017年11月16日    福岡国際センター )

大相撲九州場所5日目 大奄美(右)をすくい投げで下す安美錦
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 一番は年の数だけじゃない。成績も堂々のトップタイだ。幕内最年長、39歳の安美錦が新入幕の大奄美に粘り勝ちし、初日から負けなしの5連勝。弟弟子の日馬富士の不祥事や、照ノ富士の休場などに揺れる伊勢ケ浜部屋勢にあって、土俵上で踏ん張りを見せている。

 「よくこらえた。余裕ないよ。我慢して我慢して。残すたびに足がビキビキいって、大丈夫かな、と」

 安美錦より約40キロ重く、15歳若い大奄美は力任せに何度も寄ってきた。そのたびに俵に足を掛けながら懸命に耐えた。最後はうっちゃり気味に、こん身のすくい投げ。「冷静に我慢できた」。苦境でも豊富な経験が、逆転技につながった。アラフォー力士の懸命な取り口に、館内は大いに沸いた。

 幕内上位だった昨年夏場所の2日目に、左アキレス腱を断裂。翌名古屋場所は全休。その次の秋場所から十両で再出発し、この九州場所で幕内に戻ってきた。その間に、第3子となる長男も誕生した。3人の子供たちとは毎日、テレビ電話で会話。顔を見て、力をもらっている。

 リハビリ中、献身的に支えてくれた絵莉夫人は、今場所中も宿舎へ手料理を届けている。このサポートに「体が温まるようにと、ショウガをたっぷり入れてくれたり。ギョーザとかね」と、細い目をさらに細める安美錦。周囲の雑音にもめげずに土俵を務め、2年前の九州場所以来となる幕内での勝ち越しが見えてきた。

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2017年11月17日のニュース