岸「凄く重い」銀メダル トランポリン女子個人日本初の快挙!

[ 2017年11月14日 05:30 ]

トランポリン世界選手権 最終日 ( 2017年11月12日    ブルガリア・ソフィア )

 女子個人で獲得した銀メダルを掲げる岸彩乃
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 女子個人決勝で12年ロンドン五輪代表の岸彩乃(25=金沢学院大ク)が、同種目で日本勢初の表彰台となる銀メダルに輝いた。岸は準決勝を7位で通過し、8人(各国・地域最大2人)で争われた決勝で55・740点をマークした。男子個人決勝の伊藤正樹(29=東栄住宅)は演技を中断し、24・800点で8位だった。

 銀メダルを首に下げた岸が、潤んだ瞳で言葉に実感を込めた。「(現役を)続けて良かった。メダルは凄く重く感じる」。リオデジャネイロ五輪代表入りを逃した昨年、引退も考えた25歳が、表彰台にたどり着いた。

 五輪実施種目で初めて進出した決勝。演技中断がなかった選手の中で難度点は最も低かったが、3回宙返りを含む跳躍の安定感が際立った。今季導入された10点満点の「水平移動点」では9・600点と他を圧倒した。

 進退に揺れる思いを抱えたまま大会に出続けていた昨秋、知人に厳しく言われた。「そんな気持ちじゃ結果も出ないよね」――。立ち止まって悩み、「不完全燃焼のまま終わりたくない」という答えを導き出した。

 リオ五輪女王がいるカナダのクラブで武者修行し、技術を吸収。今秋は右肘脱臼や首のケガもあったが、所属先で指導する日本協会の丸山章子女子強化本部長は、「新しい自分を発見し、たくましくなった」と称えた。25歳の第一人者は「世界と戦えるようになってきた。東京五輪へいいスタートを切れた」と夢舞台を見据えた。

 ◆岸彩乃(きし・あやの)1992年(平4)10月29日生まれ、石川県出身の25歳。女子個人で12年ロンドン五輪代表、14年仁川アジア大会銅メダル。弟の大貴は今年の世界選手権代表、父の一盛さんは体操の元トップ選手。金沢学院大出、金沢学院大ク。1メートル54、47キロ。

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