稀勢、得意の「左」復活の兆し!稽古で嘉風に8勝2敗

[ 2017年11月7日 05:30 ]

力強い左からの攻めを見せる稀勢の里
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 大相撲の二所ノ関一門の連合稽古が6日、福岡県春日市の尾車部屋で行われ、3場所連続休場中の横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)が力強い攻めを見せた。相撲巧者の関脇・嘉風(35=尾車部屋)との三番稽古で、10番取って8勝2敗。左からのおっつけ、ハズ押しなども繰り出し、復活を目指す九州場所(12日初日、福岡国際センター)に向けて、上々の内容となった。

 春場所で左上腕などを負傷してから精彩を欠いている和製横綱に、完全復活の兆しが見えた。嘉風との三番稽古では、いきなり2連敗したものの、その後は左からの厳しい攻めが光った。左差しを封じられると左からおっつけ、左ハズ押しから豪快に突き落とす場面もあり、8連勝。稀勢の里は「いいんじゃないか。悪くはない」と振り返った。

 嘉風とは休場明けだった7月の名古屋場所前の連合稽古で胸を合わせ、2勝7敗と大きく負け越した。左からの攻めに迫力がなく、途中で土俵に左手をつくと左上腕を痛がるそぶりも見せた。結局、名古屋場所は5日目で3敗を喫し、左足を痛めて2場所連続途中休場。秋場所は自身初の全休となった。4カ月ぶりの嘉風との稽古は現在の調子を測る格好の場。そこで力強さを見せた。嘉風は「あの時(名古屋場所前)とは全然違う。左を使えるようになっているから、当たりも違う。回復している」と横綱の復調を体感していた。

 稽古を視察した解説者の舞の海秀平氏(元小結)も「体全体の張りが良く、引き締まっていた」と評価。その一方で「まだ相撲勘が戻っていない。左をねじ込んで左下手を取れるようになれば、もっと安定する」と分析した。

 復活を期す九州場所まで1週間を切った。ここまで順調な調整を続けているように見えても、稀勢の里は「少しでも理想に近づけるようにしたい」という。完全復活と呼べるのは賜杯を奪回した時。まだまだ精進は続く。

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2017年11月7日のニュース