新葉「悔しい」銀、わずか1・36点差 ファイナル進出は望み

[ 2017年11月5日 05:30 ]

フィギュアスケート グランプリシリーズ第3戦中国杯第2日 ( 2017年11月4日    中国・北京 )

中国杯女子フリーで演技する樋口、惜しくも2位に終わった
Photo By 共同

 男女のフリーなどが行われ、女子ショートプログラム2位の樋口新葉(わかば、16=東京・日本橋女学館高)はわずか1・36点差でグランプリ(GP)シリーズ初優勝を逃した。フリー141・99点の合計212・52点の2位で、GPファイナル出場には望みをつないだ。アリーナ・ザギトワ(15=ロシア)が優勝。三原舞依(18=シスメックス)は合計206・07点で表彰台まで0・75点差の4位。本田真凜(16=関大高)は合計198・32点で5位だった。

 泣くに泣けない点差だ。映画007の曲に乗って観客も演技に引き込んだ。しかし、わずか1・36点届かない。「自分がやってきたことは全て出し切れた」とガッツポーズで終えた樋口が悔やむのは、枝葉の部分だ。

 「ジャンプを降りた後の流れをもう少し楽に滑れたら」

 優勝したザギトワは、基礎点が1・1倍になる後半に全7本のジャンプを入れてくる。その差も出た。

 「終わった瞬間はミスがなく滑れたので凄くうれしかったけど、点数を見て、1位までいっていなくて、本当に悔しいです」

 GPシリーズ初優勝はあと一歩で逃した。その一方で、日本人直接対決と騒がれた舞台で、2位だったショートプログラム(SP)に続いて日本勢最上位を譲らなかった。

 負けず嫌いに火が付いたのは、昨季があるからだ。最初の敗北は9位だった2月の四大陸選手権。「同世代の三原さんが優勝して、凄く悔しかった」。追い打ちをかけるように、4月の国別対抗戦で「最高の演技」をしながら、得点で三原の後塵(こうじん)を拝した。1学年上のライバルを倒すことが、18年平昌五輪への近道になると確信した。

 「どれだけ頑張ればいいか見えた」

 栄養士の教えを受け、最適な一日の摂取カロリーも知った。「ケーキは食べたいけど、我慢」。取り組んできたことが徐々に実を結んで、三原より上の順位になった。GPファイナル出場は今後の動向次第ながら、ボーダーラインには残った。日本のエースの階段を駆け上がっていく。

 ▽女子フィギュアスケート18年平昌五輪出場への道 女子の枠は2。1人目は全日本選手権(12月20日開幕、東京都調布市)の優勝者。もう1人は(1)全日本の2、3位(2)GPファイナルの日本勢上位2人(3)全日本終了時の世界ランク上位(4)今季の最高得点(国際連盟公認)から総合的に判断され、選出される。GPファイナルは、出場したGPシリーズ2戦の順位点の上位6人だけが出場できる。出場の近年のボーダーラインは24点で樋口はロシア杯3位(11点)と今大会2位(13点)を合わせて24点で、踏みとどまった。三原は4位(9点)のため次戦で優勝(15点)しなければ出場は絶望的。

続きを表示

この記事のフォト

2017年11月5日のニュース