日本 豪州に完敗、19年W杯へ姫野が収穫 初キャップ初トライ

[ 2017年11月5日 05:30 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2017   日本30―63オーストラリア ( 2017年11月4日    横浜市・日産スタジアム )

<日本・豪州>後半終了間際、トライを決めた姫野はガッツポーズ(右はリーチ)
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 世界ランキング11位の日本はオーストラリアに対し、30―63のダブルスコアで完敗した。通算5度目の対戦で30得点は過去最多も、63失点、被トライ9はジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、47)就任後のワーストを更新した。一方で初キャップながら先発抜てきされたロック姫野和樹(23=トヨタ自動車)は、80分間フル出場して後半ロスタイムに初トライを記録。期待の若手が19年W杯に向けて力を証明した。

 必死の思いでインゴールへ飛び込み頭を上げると、リーチ主将ら仲間の祝福ハグが待っていた。後半ロスタイム、最後の攻撃でボールを持った姫野がこん身の力で相手に当たる。「タックルが高かったので動けた」と体を一回転してバインドから逃れ、疲労がたまった両脚を最後の力を振り絞って前進させた。

 「桜のジャージーを着るのは夢だった。素直に楽しかった。若いのでがむしゃらにやれることをやり続けようと思っていました」

 1週間前の世界選抜戦も先発したが、国対国のテストマッチは初めて。しかも相手は世界3位。前半から得意のボールキャリーで見せ場をつくったが、経験したことがないタックルの強さに屈し、ノックオンを繰り返した。それでも相手をずらして突破を図った。「ボール保持や守備には課題が残った」と言いながらも、下を向かずに自分の強みを出し続けた。

 帝京大時代は足のケガでリハビリ続きだったが、その間に屈強な体をつくり上げ、今季はトヨタ自動車1年目ながら主将にも抜てきされた。07年W杯で南アフリカを率いて優勝したトヨタ自動車のホワイト監督をして「日本代表になる素質の全てを持っている」と言わしめた力を証明したのは、19年W杯の組み合わせ抽選直後の試合。23歳は「もっと成長したい」と笑った。

 ◆姫野 和樹(ひめの・かずき)1994年(平6)7月27日生まれ、名古屋市出身の23歳。名古屋・御田中からラグビーを始め、春日丘(現中部大春日丘)高では高校日本代表、ジュニア・ジャパンも経験。13年4月に帝京大に入学し、ロックやフランカーとしてプレー。今年4月にトヨタ自動車入りし、ルーキーながら主将を務める。父は元競輪選手。1メートル87、108キロ。

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2017年11月5日のニュース