スマイル・クイーンから笑顔が消えた…賞金女王争いの行方は?

[ 2017年10月25日 10:10 ]

“スマイル・クイーン”として人気のキム・ハヌル
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 1メートル70と恵まれた体格に、切れ長の美しい目で多くのファンを魅了しているのが韓国出身のキム・ハヌル(29)だ。現在賞金ランキング1位。今季はサイバーエージェント・レディース、公式戦のワールド・レディース・サロンパス・カップで2週連続V、さらにサントリー・レディース優勝で通算6勝目を飾るなど、ランキング首位に立っている。

 キム・ハヌルの形容詞といえば“スマイル・クイーン”だ。プレー中のクールな表情と鋭い視線とは対照的に、美しく優しい笑顔は“女王”と称されるのにふさわしいと言えるだろう。しかし、賞金女王レースも佳境を迎えキム・ハヌルから笑顔が消えた。

 出場25試合中、3回の優勝を含めてトップ10入り14回はツアー最多。必然的にどの試合でも優勝候補の筆頭格となるが、「目標はトップ10です」と控えめに答えることが増えた。キム・ハヌルの趣味の1つがヒップホップ・ダンスだが、先週のマスターズGCレディース開幕前には「優勝したらダンスを披露してもいいですよ」とおどけた。久しぶりの優勝宣言かと思いきや「今は優勝できる状態ではないし、気持ち的にも。優勝はないと思うから(ダンス)約束もできるんです」と笑顔は薄かった。

 ツアーは残り5戦。だが、今週から2週間は帰国して韓国ツアーへの出場を予定している。賞金ランク2位の鈴木愛には約480万円差、3位イ・ミニョンには約740万円差に迫られている。自身初の賞金女王に輝くのか、はたまた逆転を許すのか。この2週間の離脱が女王戦線にどのような影響を及ぼすだろうか。

 ある日、「最終日に青色のウエアを着ることが多いですね」との記者の問いかけに「私は“空”だから」と細く長い人差し指で天井を差した。韓国語で“ハヌル”は“空”の意味。日本ツアーに再び舞い戻るのは11月。澄み渡る高い秋空の下で“スマイル・クイーン”が再び満面の笑みを披露する日を楽しみにしている。 (記者コラム・伊藤 靖子)

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2017年10月25日のニュース