小平16連勝 平昌へ死角なし!国内最高&リンク新で3連覇

[ 2017年10月22日 05:30 ]

スピードスケート全日本距離別選手権第2日 ( 2017年10月21日    長野市・エムウエーブ )

全日本距離別女子500メートルを国内最高、大会新、リンク新で圧勝した小平
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 五輪へ視界良好だ。女子500メートルは小平奈緒(31=相沢病院)が自身の国内最高記録を0秒14縮めて、37秒25で3連覇を達成。通算8度目の優勝を飾った。10年バンクーバー、14年ソチ五輪で同種目連覇の女王・李相花(28=韓国)が12年に出したリンク記録も0秒35更新。昨季から同種目負けなしの16連勝とエースに死角はない。

 電光掲示板にタイムが表示されると客席がドッとどよめいた。小平が大会記録どころか、国内最高とリンク記録を更新。歓声と拍手で沸く観衆に両手を振って応えた。「得意の500メートルで国内ベストを塗り替えられて良かった。今の実力通りの滑りがこのタイムに結びついた」。今大会から始まった昨季の快進撃。さらに成長した姿でその舞台に戻ってきた。

 「闘争心?まだ出てこない」。戦闘モードに切り替わらぬまま迎えた今季初戦。7カ月ぶりの実戦で、100メートルを全体2位の10秒3で通過。「切れはいまひとつ」。不満の滑り出しで同走の辻に100分の5秒遅れた。しかしカーブを回ると加速した。最後も「流れに任せて気持ち良く滑っていました」とゴールを駆け抜けた。

 ただ、ゴール後しばらくして首をかしげた。14年ソチ五輪では同種目5位に終わり2年間、単身でスケート王国のオランダに留学。「自分自身とは何かを探すような時間だった」と見つめ直し、「現状に満足しても変わらないと気づけた」。異国の地で学んだ精神力が進化を支えている。

 結城コーチが「90〜95%の出来」と言うように、夏場の合宿の疲労が完全には抜けていない。照準はW杯とその先にある来年の夢舞台。「まだ燃えてくるものを抑えている感じ。海外に行けばスイッチが入ると思う」。“闘争心”のギアを入れずとも誰にも譲らなかった1位の指定席。タイムは、14年ソチで樹立された五輪記録をしのぐ。小平が頭一つ抜けた力を開幕戦で改めて示した。

 ≪長野金の清水氏「次元が違う」≫98年長野五輪500メートル金メダリストの清水宏保氏(43)が会場を訪れた。小平のレースを見た清水氏は「本人はゴールして首をかしげていたが、いいレースだった」と評価。自身は98年から500メートルで3連覇している。「本来、(W杯)選考会は緊張するものだけど、(小平は)次元が違う。W杯で世界記録を狙って、もう1回2月(五輪)にピークを持っていくのもいい」と期待していた。

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2017年10月22日のニュース