桃子 第3Rベスト67で奪首 14年シーズン以来のマルチVで逆転賞金女王視野に

[ 2017年10月22日 05:30 ]

女子ゴルフツアー NOBUTA GROUP マスターズGCレディース第3日 ( 2017年10月21日    兵庫県三木市 マスターズGC=6507ヤード、パー72 )

<マスターズGCレディース 第3日目> 18番、チップインバーディーを決めガッツポーズをする上田桃子
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 賞金総額1億8000万円を誇るスポニチ共催のビッグトーナメントは強い雨が降り続く中、第3ラウンドが行われた。上田桃子(31=かんぽ生命)が、この日ベストスコアの67をマークし通算11アンダーで単独首位に躍り出た。2打差の2位に上田と同組で回った畑岡奈紗(18=森ビル)ら3人が続いている。

 上田は同組の18歳に、重圧を与えることだけを考えていた。畑岡と通算10アンダーの首位タイで迎えた最終18番パー4の第3打。グリーン右から11ヤードのアプローチを60度のウエッジでチップインバーディーを奪った31歳は、右手を上げてガッツポーズをつくった。

 「入れようとは思っていなかった。でも“お 先に”のパーを取れるところまで寄せないと、(畑岡に)プレッシャーはかからないと思っていました」。直後にライバルが3メートルのパーパットを外し、最終的に2打差がついた。「(畑岡に)気合が入っているのが分かって、前半の途中から最終日みたいなプレーができました。こういう雰囲気で回れたのは(中京テレビの)優勝の時以来」

 台風21号接近による雨の影響で、きょう22日の最終日が中止となる可能性もあったため、少しでも貯金を増やそうと序盤から飛ばした。だが、畑岡も前半で3つスコアを伸ばし、一時は2打差をつけられる。それでも焦りはなかった。

 支えになったのが、昨年12月に亡くなるまで指導を受けていた元巨人打撃コーチの故・荒川博氏の言葉だった。王貞治ソフトバンク球団会長の“一本足打法”の生みの親として名高 かった荒川氏は生前、周囲に「あいつ (上田)は絶対大丈夫だから、焦らせ るな」と語っていた。その言葉を前夜、知人にメールで伝えられ「一日、それを頭に置いて(焦らないように)プレーしていました」と振り返った。

 2打差の首位で挑む最終日。逃げ切りVを果たせば今季の獲得賞金 は約9411万円となり、逆転賞金女王の可能性も出てくる。「明日も1番からいいスタートが切れるように準備したいと思います」。6月から夏場まで苦しめられた背中の痛みもハリ治療などで良化。心身ともに不安のない状態で14年シーズン以来のマルチVを狙う。

 ≪桃子の母・八重子さん転倒アクシデントも…≫上田が18番でチップインバーディーを奪う直前、母・八重子さんがアクシデントに見舞われていた。アプローチを見るために斜面を上ったところで足を滑らせ派手に転倒。幸い、ケガはなかったが、尻もちをついたため白いズボンは泥で真っ黒になってしまった。だが、母がウンをつけたおかげで、最高の上がりとなった。ホールアウト後、体を張った母のアシスト?を知った娘は心配しながらも「それなら、毎ホール転んでよ」とおねだりしていた。

 ◆上田のシーズン・マルチ優勝 07年に5勝を挙げ賞金女王。08年は2勝で賞金ランク17位。14年は2勝で同10位。

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2017年10月22日のニュース