茉愛4位 悪夢の平均台 落下なければ金…涙、涙「悔しい」

[ 2017年10月8日 05:30 ]

体操世界選手権第5日 ( 2017年10月6日    カナダ・モントリオール )

世界体操選手権第5日女子個人総合決勝 平均台で落下する村上
Photo By 共同

 女子個人総合決勝が行われ、村上茉愛(まい、21=日体大)は平均台の落下が響き、合計54・699点で4位に終わった。杉原愛子(18=朝日生命)は53・965点で6位に入り、世界選手権で初めてW入賞を果たしたが、09年大会銅メダルの鶴見虹子以来の表彰台に届かず、2人は悔し涙を流した。モーガン・ハード(16=米国)が55・232点で初優勝を飾った。

 千載一遇のチャンスと分かっていたから、極度の重圧に襲われた。村上は前夜、ほとんど眠れず。「体操人生で一番緊張した。あのプレッシャーの中で実力を発揮できない自分が悔しい」。表彰台まで0・100点の僅差が惜しいというより、1位だった予選の得点を再び出せば日本女子初の金メダルだった。15年大会6位に続く2大会連続入賞にも、涙が止まらなかった。

 世界大会4連覇のバイルス(米国)が休養するなど、16年リオ五輪メダリストは不在。14年大会銀、15年大会銅のヨルダチェ(ルーマニア)は、予選のウオーミングアップ中に左アキレス腱を断裂し棄権した。予選2位だったスミス(米国)も決勝前のアップで足首を痛めて棄権。戴冠は見えていた。1種目目の跳馬は着地を止め14・666点で2位と好発進。段違い平行棒も無難にこなしたが、体重減で「フワッとしてしまう」と不安を抱えていた平均台で、減点1となる悪夢の落下が待っていた。

 最終種目は床運動。気持ちを切り替え、H難度の「シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」を決めるなど、予選を上回る14・233点をマークした。メダルには届かなかったが、日体大女子監督で代表の瀬尾コーチが、「よく頑張ったね」と言ってくれた。大学入学後、初めての恩師とのハグ。「あれが一番、うれしかった」と振り返った。

 種目別決勝の床運動と平均台は8日(日本時間9日)。スミスは床運動の予選でトップだっただけに、2位通過の村上に運が向いている。「種目別だけでも金を獲りたい。自分に集中して演技をすれば、結果はついてくる」。黄金のチャンスは、もう逃さない。

続きを表示

この記事のフォト

2017年10月8日のニュース