宮里優作、自己ベスト「61」 圧巻の10バーディー発進

[ 2017年10月6日 05:30 ]

男子ゴルフツアー ツアーワールド・カップ第1日 ( 2017年10月5日    愛知県豊田市 京和カントリー倶楽部=7190ヤード、パー71 )

最終の9番でバーディーパットを外して一瞬悔しそうな表情を見せるが、自己ベストを2打更新する「61」をマークした宮里優作
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 満点発進だ。ツアー5勝の宮里優作(37=フリー)が4連続と2度の3連続を含む10バーディー(ノーボギー)を奪う圧巻のゴルフで、ツアー自己ベストの61をマーク。2位に3打差をつける単独首位で、今季3勝目へ快調に滑り出した。3打差の2位には日高将史(31=フリー)らがつけた。

 最後の9番。11個目のバーディーを狙った6メートルのパットがカップをかすめると、この日初めて悔しそうな表情が浮かんだ。それでも難なくパーとして自己ベストスコアを2打更新する61でホールアウト。プレーを振り返る表情は余裕たっぷりだった。

 「10個も(バーディーの内容を)説明できないですよ。大体入った、ということで。粛々と業務をこなしている感じでした」。61はツアーでは昨年11月のダンロップ・フェニックス(パー71)最終日に池田勇太が記録して以来で今季最少スコア。18ホールの10バーディーと10アンダー、アウト9ホールの29はいずれも自己記録を1つ更新した。記録ずくめのラウンドで2位に3打差をつける弾丸スタートに「ちょっと取り過ぎ。配分を間違えたかな」とおどけた。

 インから出て13番まではパー。最初のピンチが快進撃のきっかけになった。14番、第2打でグリーンを外したが、10ヤードのアプローチをSWでチップイン。最初のバーディーを奪うと波に乗った。15、16番もスコアを伸ばした。18番からもバーディーを重ね圧巻は519ヤードと長い3番パー4だ。ティーショットでフェアウエーど真ん中をキープし、7Iでピン横3メートルにつけ、難なく4連続バーディー。さらに6番からも3連続と神懸かりのバーディーラッシュだった。

 8月下旬のRIZAP・KBCオーガスタで右手首を負傷。この日も痛み止めを服用した。患部への負担を減らすため先週からアイアンのシャフトを硬さXからSXへ軟らかくした。これが手になじみ「先週より縦の距離感が良くなった。ケガの功名です」と口も滑らか。合計21パットは全体の最少。「ラインが読めている。凄くいい」と胸を張った。

 名古屋市内の自宅からコースまでは車で40分だが、試合に集中するため前日からホテルに宿泊。4月の中日クラウンズ(愛知)、翌週の日本プロ選手権(沖縄)に続く地元優勝、今季3勝目を視界に捉えた。勝てば賞金ランク1位に浮上し、自身初、選手会長で初の賞金王も見えてくる。

 9月の米女子ツアー、エビアン選手権で妹・藍さん(32)が現役引退。兄として「まだやれると思う。でも頂点を極めた人しか分からないこともあるから。やめる勇気が凄い」と妹を思いやる言葉を口にしていた。第二の人生を歩きだした藍さんにはなむけの勝利を届けたいところだ。

≪日本記録は遼の「58」≫ ▼最少スコア 現在、ギネスブックに登録されているのは12年5月にライン・ギブソン(オーストラリア)がローカル大会でマークした55。国内男子ツアーでは10年5月の中日クラウンズ最終日に石川遼がマークした58。米男子ツアーでも16年8月にジム・フューリク(米国)が58を記録している。欧州男子ツアーでは60が最少で、14年10月のニコラス・コルサールツ(ベルギー)らが記録している。

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