江里口匡史 10秒88に唇かむ「9秒台を目指していた者としては…」

[ 2017年9月24日 11:58 ]

 陸上の全日本実業団対抗選手権最終日が24日、大阪市のヤンマースタジアム長居で行われている。男子100メートル予選に出場した10秒07の自己記録を持つロンドン五輪代表の江里口匡史(28)は10秒88で5組最下位。中盤に失速すると「前半しか練習ができていない。練習通りといえば、練習通り。なかなか厳しい」と唇をかんだ。

 15年2月に左足首の付け根付近(舟状骨)を疲労骨折し手術。今年3月、その古傷が再発した。「日本選手権で勝負するところまでいたはず」という下準備が泡と消えた。3カ月強の間、まともに走れず、この日も復調にほど遠い走りだった。

 9日の日本学生対抗選手権で、桐生祥秀が日本人初の10秒の壁を破る9秒98を出した。数年前まで国内の先頭を走り続けたスプリンターは複雑な心境を口にした。

 「すごいと思ったし、単純に悔しいと思った。いろいろですね。日本短距離界が9秒台に入ったのは、一人の陸上選手として嬉しいけど、目指していた者としては悔しいですね。世界大会の決勝に残ることがスプリント界の次の目標になる。その中で走れていないのがもどかしい」

 ヤンマースタジアム長居は、日本選手権の4連覇目を達成した思い出の競技場。その後、14年シーズンを最後にまともに走れていない。現状への歯がゆさを表情に出しながら、今オフの練習予定については「今はなしにしてください」と言葉を濁した。

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2017年9月24日のニュース