ニックスのアンソニーがサンダーに移籍 キャンプイン直前にトレード合意!

[ 2017年9月24日 11:43 ]

サンダーへのトレードでの移籍が合意に達したニックスのアンソニー(AP)
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 NBAニックスとサンダーの間で23日までにトレードが合意に達した。AP通信などが報じているもので、かねてから移籍を希望していたニックスのフォワード、カーメロ・アンソニー(33歳)を巡る大型トレード。サンダーはセンターのエネス・キャンター(25歳)とフォワードのダグ・マクダーモット(25歳)、さらに来年のドラフト2巡目指名権をニックスに放出することでアンソニーを受け入れることになった。

 アンソニーはニックスとの契約が2年残っており(総額5400万ドル=約60億円)、さらにトレード拒否条項を保持していたが、まずロケッツとキャバリアーズをその対象から除外。ニックス側はトレイルブレイザーズとのトレード成立を希望していたが、最終的にアンソニーが受け入れなかったために、キャンプイン直前となった段階でサンダーとの交渉を進めていた。

 サンダーの副社長兼GM補佐は、アンソニーをシラキュース大(ニューヨーク州)にスカウトしたトロイ・ウィーバー氏(元シラキュース大アシスタントコーチ)で、同氏が今回のトレード成立に大きな役割を果たしたと見られている。

 アンソニーは2003年ドラフトの全体3番目に指名されてナゲッツ入り。2010年シーズン途中でニックスにトレードされていた。オールスターゲームには10回出場し、五輪には昨年のリオデジャネイロ大会を含めて米国史上最多の4回出場。金メダルを3つ獲得するなど、米国の“顔”として活躍してきた。しかしNBAではファイナル出場の経験がなく、低迷するニックスでの存在感も微妙なものになっていた。

 サンダーはすでにペイサーズの主力フォワードでリオデジャネイロ五輪の米国代表でもあったポール・ジョージ(27歳)をトレードで獲得済み。チームには昨季のMVPで史上2人目の年間トリプルダブルを達成したガードのラッセル・ウエストブルック(28歳)が在籍している。そしてアンソニーの加入で新たな“BIG3”が誕生。昨季のプレーオフでは西地区1回戦で敗れたが、2人の米国代表を加えた今季は悲願のファイナル初制覇を視野にとらえそうだ。

 ただし問題は総年俸の高騰。契約下の選手がトレードされた場合、その選手のサラリーは自動的にアップするため(トレード・キッカー)、アンソニーの今季年俸は810万ドル(約9億1000万円)も上がることになる。サンダーの今季の年俸総額はすでに1億3400万ドル(約150億円)に達しており、最高上限額(スレショールド)を超えた金額に派生する「ぜいたく税」は2780万ドル(約31億1000万円)。トレード・キッカーを負担するのは旧チーム(ニックス)だが、来季からはサンダーの年俸上限額(サラリーキャップ=再契約選手は対象外)の対象となるため、ただでさえ契約を2年残しているアンソニーのサラリーはチームの運営上の“足かせ”になりそうだ。スポーツ専門局のESPNによれば、来季のサンダーの総年俸とぜいたく税を合わせた“人件費”はリーグ史上最高額の3億ドル(約336億円)に達する見込み。これでは経営が成り立たなくなる恐れもあるため、来夏にFAとなるウエストブルックとジョージの他球団への移籍も可能性大。BIG3による夢の競演は今季限りになるかもしれない。

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