豪栄道 日馬と楽日決戦、2度目の賜杯へ「思い切りいく」

[ 2017年9月24日 05:30 ]

大相撲秋場所14日目   ○豪栄道―貴ノ岩● ( 2017年9月23日    両国国技館 )

貴ノ岩(左)を渡し込みで下した豪栄道
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 貴ノ岩を下した大関・豪栄道が連敗を2で止めて11勝3敗とし、単独トップを守った。優勝争いは御嶽海を退けて4敗をキープした横綱・日馬富士との2人に絞られた。24日の千秋楽で対決。日馬富士が勝てば決定戦に持ち込まれる。豪栄道は6場所ぶり2度目、日馬富士は7場所ぶり9度目の制覇を狙う。

 我慢、我慢。落ちてなるものか。豪栄道が貴ノ岩の左右のいなしを懸命にこらえた。最後は倒れ込みながら左手が反応し、相手の右足を刈る渡し込みで単独首位を死守した。

 立ち合いは2度、不成立。「1回目が一番良かった」と取組後は本音も漏れたが、成立した3回目の立ち合いにも「(黒星の)昨日、おとといより良かった」とまずまず。攻めながら引きそうになる場面もあったが、思い直したように前に出た。

 11日目終了時点で2差をつけ賜杯を意識してしまった。松鳳山、貴景勝と、焦りが見える相撲で墓穴を掘った。この日の朝稽古では「気持ち的に守りに入っていた。それがアカン。相手どうこうより根性決めてやるだけ。中途半端だった」と猛反省。休眠していた闘争本能が、追い込まれたことで再び目覚めた。八角理事長(元横綱・北勝海)も「いい相撲。勝負どころで慌てないで、粘り強くいった」と評価した。

 自らの失速が生んだ混戦モードは一気に日馬富士との一騎打ちに変わった。楽日の結び決戦へ「幸せなこと。最後は勝った方が強いわけやから」と言い切った。発奮材料もある。22日に出版された初の自伝「すもう道まっしぐら!」(集英社みらい文庫)が、23日夕方の時点で通販大手「アマゾン」のノンフィクション・伝記カテゴリーのランキングで首位。V2を求めるファンの声を示す一つの証拠だろう。

 二所ノ関審判部長(元大関・若嶋津)は「12勝3敗ならつながるかな」と結びの一番で日馬富士に勝てば来場所が綱獲りになる可能性を示した。「悔いのないように思い切りいく」。豪栄道は大きな夢につながる一番に挑む。

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