藍に幸運の雨、序盤苦闘 ラスト戦初日嵐で中止 3日間開催に

[ 2017年9月15日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー エビアン選手権第1日 ( 2017年9月14日    フランス・エビアン エビアン・リゾートGC=6479ヤード、パー71 )

エビアン選手権第1日 16番グリーンで急激な天気の変化に驚く宮里藍
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 メジャー最終戦が開幕したが、強い風と雨のため約4時間半の中断を経てラウンド取り消しの裁定が下された。この大会でのラウンド取り消しは13年以来4年ぶり。競技は54ホールに短縮され、15日に全選手が改めて第1ラウンドを開始する。この試合で現役を引退する宮里藍(32=サントリー)は10番から出て16番の途中までプレーし、3オーバーの暫定48位だったが、仕切り直しとなる。

 ラウンド取り消しの裁定に宮里は「凄くびっくりした」と戸惑いながら「こんな風の中でこのコースを回ったことがなかったのでタフなコンディションだと感じていた。7ホールだけで良かった」と吹っ切れた表情で話した。

 20メートル近い強風に苦しんだ。10番から出て12番で1打目を左のバンカーに入れて脱出後の3打目をダフってダブルボギー。13番も左ラフからの2打目を前方の枝に当ててボギー。14番で5メートルのバーディーパットを決めたものの15番で3メートルのチャンスから3パット。波に乗れないまま迎えた16番で台風のような暴風雨に見舞われた。「身の危険を感じた」。パーパットを残して近くのテントに待避し、そこで中断を知った。

 天候が回復せず再開予定時間が3度変更された。スタート時から10度近く気温が下がっていたため、いったんホテルに引き揚げ、暖かい服装に着替えてコースに戻り待機していた。ラウンド取り消しは異例だが、メジャーでは13年エビアン選手権で第1ラウンドが取り消され54ホールに短縮された。また12年全英リコー女子オープンでは第2ラウンドが取り消されたものの72ホールを消化した。

 「(第1ラウンドの)続きから(再開)でも構わなかった。ただ半分以上の組が明日からのスタートだと不平等になる可能性もある。フェアな状況を考えると良いジャッジだったのかな」。中断時点でプレー中の60人中48位だっただけに“恵みの雨”とも言える。

 現役最後の試合が短縮される不測の事態。それでも「決まったことには従って明日また一から頑張りたい。自分のやるべきことをやっていくだけ」と決意は揺るぎなかった。

 ▼米女子プロゴルフ協会(LPGA)マイケル・ワン会長 公平に近づけるためにやり直し、週末に再び悪化する(予報の)天候を考えて短縮するのが最良と判断した。

 ▽13年エビアン選手権 メジャー昇格初年度。第1日は降雨のため、スタート時間を2時間遅らせて開始。中断を挟み、コース状態不良のため第1日のキャンセルが決まった。スタートしていた5組15人のスコアは無効。宮里藍、上田桃子ら日本勢はいずれもスタート前だった。3日間競技となり、宮里藍の最終成績は通算1アンダーで15位だった。優勝は通算10アンダーでスサン・ペテルセン(ノルウェー)。

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