白鵬も休場 左膝炎症癒えず…初日から3横綱不在は昭和以降初

[ 2017年9月9日 05:30 ]

秋場所を休場することが決まった(左から)白鵬、鶴竜、稀勢の里
Photo By スポニチ

 横綱・白鵬(32=宮城野部屋)が左膝痛で秋場所(10日初日、両国国技館)を休場することが決まった。取組編成会議が行われた8日、日本相撲協会に休場を届け出た。前日に決まった稀勢の里、鶴竜と合わせ、3横綱が初日から休場するのは昭和以降初めて。白鵬は3場所ぶり6度目の休場で、秋場所は3年連続。40度目の優勝は九州場所以降に持ち越しとなった。

 負の連鎖は第一人者にも波及した。ぎりぎりまで出場を模索していた白鵬だが、左膝は戦える状況に戻らなかった。部屋に姿を現さなかった横綱に代わり、師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)が東京都墨田区の宮城野部屋で対応。6日の時点で出場が厳しいと伝えられ、7日夜に休場を決断したことを明かした。左膝には炎症が残っており、全治まで3、4週間かかる見通しという。師匠は「“もう少し時間があったら”と言っていた。出たいという気持ちは強かったと思う」と白鵬の胸の内を代弁した。

 名古屋場所で通算勝利数を史上1位の1050に伸ばし、2場所連続39度目の優勝を飾った。その陰で左膝に違和感を抱え、夏巡業は8月13日から一時離脱した。関取と稽古ができない状態が続き、V40に王手をかけていた大横綱といえども出場に踏み切れなかった。宮城野親方は「変な相撲は取れない。万全の相撲を取りたいというのがあったと思う」と説明。復活を目指して、10月の秋巡業は最初から参加する見込みという。

 昭和以降、3横綱の休場は9度目だが、初日からは初めて。前売り券は既に完売し秋場所も盛況が見込まれる中、定着した角界人気に暗い影を落とした。八角理事長(元横綱・北勝海)は「こういう異例の事態となり、遺憾です。相撲ファンの皆さまには非常に申し訳なく思います」とコメント。稀勢の里、鶴竜に続いて看板力士が相次いで休場し、日本相撲協会にとっては大きな痛手となった。

 《04年以降最多関取5人が休場》十両以上では3横綱のほか、先場所13勝を挙げて優勝争いにも絡んだ碧山が膝痛で、先場所再入幕を果たした佐田の海が右脚の蜂窩織(ほうかしき)炎で休場。初日から関取5人が休むのは野球賭博問題で大量の謹慎者が出た2010年名古屋場所を除けば、03年初場所以来の多さ。公傷制度が廃止された04年初場所以降では最多となった。

続きを表示

2017年9月9日のニュース