【記者の目】4人とも“平均綱寿命”以上 残念だが想定内の異常事態

[ 2017年9月9日 08:50 ]

秋場所を休場することが決まった(左から)白鵬、鶴竜、稀勢の里
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 3横綱が初日から休場する残念な場所となったが、初場所後に稀勢の里が昇進して4横綱になった時点で起こり得る可能性を秘めていた。年6場所となった1958年以降に横綱に昇進した初代若乃花から朝青龍までの24人の引退年齢は平均で約31歳。現在の4横綱はいずれも31歳以上。既に横綱の“平均寿命”に達している。

 30代になってからのケガは完治まで長い時間を要する。白鵬は左膝の負傷などで昨年秋場所を全休し、その前後で5場所連続優勝を逃している。今回の休場は古傷が悪化したとも言える。1年2度の休場も初土俵以来初めてで、勢いは落ちてきている。夏、名古屋で2場所連続途中休場となった稀勢の里、鶴竜もケガの回復が遅れた。年6場所以降で3場所連続で途中休場した横綱はいない。15日全うできる見込みがないのなら初日からの休場もやむを得なかった。

 34歳まで横綱を務めた初代若乃花は「土俵でのケガは土俵で治せ」と言った。相撲人気で地方巡業は今年も年間70日を超えるもよう。過密日程とも言える巡業をプラスに変えられるかどうかが、故障がちなベテラン横綱たちの課題となりそうだ。(相撲担当・佐藤 博之)

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2017年9月9日のニュース