15歳戸塚初陣V 平昌へスノボ新星!ソチ五輪銀の歩夢を逆転

[ 2017年9月9日 05:30 ]

スノーボードW杯ハーフパイプ(HP)第1戦 ( 2017年9月8日    ニュージーランド・カードローナ )

スノーボードのW杯ハーフパイプで優勝した戸塚(右)と2位の平野
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 男子でW杯初挑戦の15歳、戸塚優斗(ヨネックス)が93・25点で初優勝した。ソチ五輪銀メダルの平野歩夢(18=木下グループ)は92・25点で2位に入った。国際スキー連盟(FIS)の資料によるとW杯の最年少優勝は2013年の平野の14歳8カ月。ソチ五輪3位の平岡卓(21)は7位、片山来夢(22=ともにバートン)は11位。女子は大江光(22=バートン)が72・00点で5位だった。

 平野を抑えて表彰台のてっぺんに立ったのは、まだ表情にあどけなさの残る15歳の戸塚だった。初挑戦のW杯で素質の高さを見せつけ、すい星のごとく世界にデビューした。

 1回目は冷静に最後まで滑りきり、全体3位の85・25点をマークした。2回目は技の難度を上げ、3度目のジャンプで勝負技の3回転半「フロントサイド1260」を決めた。1回目の92・25点で首位にいた平野を1点上回って逆転。憧れの五輪メダリストに勝って優勝し「今後も続くW杯への自信になる」と胸を張った。

 10人で決勝進出の残り4枠を争う予定だった準決勝が悪天候の影響で行われず、16人による決勝に変更となった幸運もあったが、強風などの難条件でも動じずに攻める姿勢が快挙につながった。「1回目が決まったので、2回目はリラックスして滑れた」と、肝の据わった演技を披露した。

 大きな1勝で全日本スキー連盟の平昌(ピョンチャン)五輪派遣推薦基準(8位以内を1回)を満たした。FIS公式サイトでは平野は、ソチ五輪HP金メダリストのポドラドチコフ(スイス)、第一人者のホワイト(米国)ら北米、北欧勢に交じってスノーボード界のトップ選手8人として紹介される存在。その平野に勝った戸塚は夢の五輪に一歩近づいたことになる。「これからも頑張って成績を残して、来年の平昌五輪に出たい。小さい頃からの憧れの場所。そこで自分のベストの演技を見てもらいたい」と目を輝かせた。

 ▽スノーボード・ハーフパイプ 雪を掘り下げた半円筒状のコースの中で演技する。競技者は左右を往復して、縁の部分でジャンプや回転などの演技を行い、技の高さ、難易度、完成度の高さ、技術など全体的な印象で採点する。98年長野五輪から正式種目に採用された。14年ソチ五輪では平野歩夢が銀メダル、平岡卓が銅メダルに輝いた。

 ▼五輪への道 スノーボードで五輪代表になるためには16―17年シーズン、17―18年シーズンの世界選手権およびW杯で8位以内を1回以上、10位以内を2回以上、12位以内を3回以上の成績を残すことが条件。日本の出場枠(最大4)に応じて18年1月中旬時点での2シーズンのポイントの合計で上位の順から選出される。

 【戸塚 優斗(とつか ゆうと)】

 ☆生まれ 2001年(平13)9月27日、神奈川県出身の15歳。

 ☆サイズ 1メートル69、65キロ。

 ☆学歴 神奈川・光明学園相模原高在学。

 ☆競技歴 母親がやっていたことから3歳から始め、現在はヨネックス所属。

 ☆戦績 16、17年に全日本ジュニア選手権優勝。17年3月の全日本選手権も制した。

 ☆ホームリゾート カムイみさか(山梨)、高鷲スノーパーク(岐阜)。

 ☆好きな食べ物 生ハム。

 ☆小さい頃の夢 プロスノーボーダーになること。

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