【上水研一朗の目】頭一つ抜けていた一二三 しなやかさに磨き

[ 2017年8月31日 09:24 ]

柔道世界選手権第2日 男子66キロ級決勝   ○阿部 袖釣り込み腰 プリャエフ● ( 2017年8月29日    ハンガリー・ブダペスト )

世界柔道男子66キロ級で初優勝し、表彰台で握手を交わす阿部(左から2人目)
Photo By 共同

 総合的に見て阿部の強さは頭一つ抜けていた。一番のヤマ場だった準決勝も、相手の技を誘う、後の先の返し技(出足払い)を狙っていた。序盤に奇襲技を食らい技あり判定された場面もあったが(後に取り消し)、そんな中でも自分を見失うことなくコントロールできていた。高校時代から抜群の強さを誇っていたが、特に体のしなやかさを利用した技に一層磨きがかかった。

 現状で課題らしい課題はない。これ以上、何かを求めるのはぜいたくではあるが、今後はマークがさらに厳しくなり、今の持ち技が研究され尽くされるだろう。あえて言うならば、3年後へ向け、新たな技を付け加え、寝技で取り切る正確性を身に付けてほしい。

 準決勝でケルメンディを破った志々目は我慢強い戦いぶりが光った。相手が奥襟を叩いて(取りに)きても徹底して間合いを取り、技を出されても、その次には技を必ず返して主導権を渡さなかった。指導差だけでは4分間で決着しない新ルールも、志々目のように投げる力のある選手には有利。指導をもらっても落ち着いて戦えたことが勝因となった。(東海大体育学部武道学科准教授、男子柔道部監督)

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