新星・渡名喜が金!東京五輪へ女子48キロ級ライバル新伝説

[ 2017年8月29日 05:30 ]

柔道世界選手権第1日 女子48キロ級決勝   ○渡名喜 優勢 ムンフバット● ( 2017年8月28日    ハンガリー・ブダペスト )

柔道の世界選手権女子48キロ級で優勝した渡名喜風南(中央)と3位の近藤亜美
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 柔道・世界選手権第1日は女子48キロ級が行われ、初出場の渡名喜風南(22=帝京大)が決勝で13年大会覇者のムンフバット(モンゴル)を破り、初優勝を果たした。近藤亜美(22=三井住友海上)は、3位決定戦でセルビア選手に一本勝ちし、3大会連続メダルとなる銅メダルを獲得した。また、男子60キロ級は高藤直寿(24=パーク24)が3大会ぶり2度目の優勝。男女最軽量級のアベック優勝は、97年パリ大会の野村忠宏、田村亮子以来、史上3度目の快挙となった。永山竜樹(21=東海大)は3回戦で敗退した。

 こだわったのは、初の世界一だけではなかった。ムンフバットには一昨年、昨年と2年連続でグランドスラム東京大会で対戦して敗戦。いずれの試合も「小外刈りで投げているのに、ポイントを取ってもらえなかった」。決勝前、福見友子コーチに「あれはポイントだから、しっかり掛けて決めをしっかり」と背中を押されると、残り30秒を切って「黄金の左足」が相手を捉えた。

 初の大舞台への道は、決して順調だったわけではない。日本国内で調整中だった2週間前に突然の胃腸炎に襲われ、3日間稽古ができなかった。39・2度の高熱も出て食事も喉を通らず、2日前の26日には体重がリミットの48キロを切ったほど。実際、試合でも「力が(普段より)出なかった」が、見事に5戦を勝ち抜いてみせた。

 すでに3年前に世界女王にまで上り詰めた近藤は、95年生まれの同学年。今大会では直接対決は実現せず、勝負付けは済んでいない。「最後(4月の選抜体重別)でやった時は負けている。しっかり日本一を獲りたい」と渡名喜。かつては福見友子と浅見八瑠奈、その後は浅見と近藤亜美が争ってきた48キロ級。スタートを切ったばかりの近藤らとの東京五輪代表レースで、まずは新進気鋭の22歳が一歩リードした。

 ◆渡名喜 風南(となき・ふうな) 1995年(平7)8月1日生まれ、神奈川県相模原市出身の22歳。格闘技好きが高じて小3から相武館吉田道場で柔道を始め、東京・修徳高では3年時のインターハイ決勝で近藤亜美に敗れて準優勝となった。14年に帝京大に進学し、15年の世界ジュニア選手権で優勝。今年2月のグランプリ・デュッセルドルフではオール一本勝ちで優勝した。得意技は小外刈り、背負い投げ。1メートル48。

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