高橋 男子フリースタイル36年ぶり金 日本初の全3種目制覇

[ 2017年8月27日 05:30 ]

レスリング世界選手権第5日 男子フリースタイル57キロ級決勝   高橋6―0ギルマン ( 2017年8月25日    フランス・パリ )

男子フリー57キロ級で優勝し、日の丸を背負う高橋侑希
Photo By 共同

 男子フリースタイルでも36年ぶりの日本人王者が誕生した。57キロ級の高橋侑希(23=ALSOK)が決勝でトーマス・ギルマン(米国)を6―0で下し、3度目の出場で初優勝。リオ五輪出場を逃した悔しさを糧に、フリーでは81年大会52キロ級の朝倉利夫以来の金メダルを獲得した。87年大会からスタートした女子を合わせ、グレコローマンとの3スタイル同時金メダルは初めて。3年後の東京五輪へ期待膨らむ結果となった。

 決勝を戦う高橋の脳裏には24日の女子の試合があった。向田真優(至学館大)が6―0から逆転された53キロ級決勝戦。「同じ三重県出身の向田選手の試合を見て、逆転されること、勝負の怖さを改めて感じた」。受けに回ればやられる。その危機感を忘れなかった。

 開始直後に場外へ押し出して2点を先制。「相手は攻撃力が強い。守らず勝負しようと思った」と相手の踏み込みに合わせたカウンターで対抗。集中を切らさず加点し、差を広げると、高橋は6―0で逃げ切った。

 「勝負の怖さ」は高橋自身が身をもって味わってきたものだった。インターハイ3連覇などジュニア時代から軽量級のエースとして期待され、リオ五輪も代表最右翼と見られていた。しかし15年世界選手権で9位に沈んで内定を得られず、同年の全日本選手権でも5位に終わって道を絶たれた。「チャンスを生かすも殺すも自分次第。過去と同じ過ちを犯したくない」。3度目の出場でついに世界一に輝き、「やめなくて良かった。(心が)折れなくて良かった」と思いをかみしめた。

 大会2日目には文田健一郎(21=日体大)がグレコ34年ぶりの金メダルを獲得した。「プレッシャーになるかと思ったがマイナスにはならなかった」と力に変え、「あれだけ金メダルが獲れたのは攻め続けているから。特に(48キロ級優勝の)須崎選手は凄い」と女子からも刺激を受けた。「五輪に向けてチーム一丸となって頑張りたい」という高橋の気持ちを表す史上初の3スタイル同時金メダル。初出場初優勝の文田や須崎のような選手だけでなく、苦汁を味わった高橋のような選手も日本のレスリングを支えている。

 ◆高橋 侑希(たかはし・ゆうき) 1993年(平5)11月29日、三重県桑名市出身。小3からレスリングを始め、三重・いなべ総合学園高時代に09〜11年インターハイ3連覇。10年ユース五輪で金メダル。世界選手権は14年5位、15年9位。昨年の全日本選手権、今年のアジア選手権で初優勝。山梨学院大を卒業して昨年ALSOKに入社。1メートル59。

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