松岡氏が語る全米OP展望男子編 フェデラー、ナダルを止めるのは…若手2選手の成長に注目

[ 2017年8月26日 11:15 ]

全米オープンの展望を語る松岡修造氏
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 テニスの4大大会今季最終戦、全米オープンは28日からニューヨークで開幕する。錦織圭(27=日清食品)ら上位選手が相次いで欠場する中、ロジャー・フェデラー(36=スイス)やアレクサンダー・ズベレフ(20=ドイツ)といった新旧世代の攻防はどうなるのか?混戦模様続く女子は?WOWOWで大会後半戦の解説を務める松岡修造氏(49)の展望を【男子編】【女子編】分けてお届けする。

 まずはフェデラー(スイス)とナダル(スペイン)がどこまでできるか。世代交代の波にのまれて消えていてもおかしくない2人が、なぜトップに戻ってこられたのか。

 全仏でナダルと話して感じたのはモチベーションの高さだった。その支えは肉体的にフレッシュでケガがないこと。加えてテニスも少しずつ進化している。2人とも昔より攻撃的で、バリエーションが増えている。

 ハードコートでのナダルがどこまで通じるかは分からないが、クレーでは全盛期よりも強くなっていた。フェデラーもあの年齢で進化し続け、若い世代の進化を上回っている。これはちょっとあり得ない。今後フェデラーがいなくなったらどうしたらいいだろうと危惧を覚えてしまう。

 若い世代でその穴を埋め、世界No.1になる可能性を秘めているのはA・ズベレフ(ドイツ)とドミニク・ティエム(23=オーストリア)の2人。テニスに対して凄く真面目で、ビッグ4に似た情熱を感じる。テニスも面白く、“任せられる”という安心感がある。

 特にA・ズベレフはあきらめたり、100%出し切らないことがない。それであれだけの才能を持っていたら強くなって当然。まだ安定感に疑問符はつくだけに最後はフェデラーが止めると思う。だが、この夏に2人は相当成長する。選手にはそういう時期がある。

 日本の杉田祐一(28=三菱電機)にも触れておきたい。圭以外で初めて僕のランキング(46位)を抜いたわけだから、やっぱりこれは凄い。もっと評価されていい。そのテニスは一言で言うと「相手が100%の調子でなければ、どの選手とやっても勝つチャンスがある」。これは不思議なようだが正しい表現だと思う。

 相手があきらめたくなるほどしつこくて安定感がある。特にバックハンドはツアーで5本の指に数えてもいいほど。ミスせずストレート、クロスに打てて、なおかつ足も速い。パワーで押し切られさえしなければ勝機はある。失うポイントの少ない後半戦はチャンス。全米でも活躍して今年中に30位には到達してほしい。

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2017年8月26日のニュース