【林享の目】瀬戸&萩野、響いた前半の低調さ 得意種目の向上を

[ 2017年8月1日 08:00 ]

水泳・世界選手権最終日 ( 2017年7月30日    ハンガリー・ブダペスト )

男子400メートル個人メドレー決勝、レースを終え萩野と抱き合う瀬戸(右)
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 瀬戸や萩野が平泳ぎに抜群の力を持つケイリシュに勝つには前半200メートルで、どれだけリードできるかが鍵だった。

 瀬戸は最初のバタフライが疲労のせいか、重い泳ぎだった。56秒07かかり、54秒台で泳ぐこともある彼らしい積極的な入りではなかった。苦手だったバタフライを改善してきたケイリシュに序盤から先行を許し、背泳ぎでも差を広げられた。前半でリードできなかった時点で、ほぼ勝負は決してしまった。

 萩野も前半が遅かった。普段なら1分58秒前後で泳ぐ前半200メートルは2分0秒47かかった。得意な背泳ぎの不調が響いた。体力的な準備も不十分だった。

 2人は今大会2冠のケイリシュを追う立場になった。十分な練習ができていなかった萩野は自由形と背泳ぎを以前のいい泳ぎに戻し、バタフライの力がついている瀬戸は平泳ぎをもっと伸ばしたい。ともに得意な泳ぎを向上させて、ケイリシュとハイレベルな争いをしてほしい。 (92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位、東海学園大監督)

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2017年8月1日のニュース