【林享の目】入江 キックの微調整すれば表彰台の期待十分

[ 2017年7月27日 08:02 ]

<世界水泳・競泳>男子100メートル背泳ぎ決勝、力泳する入江
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 調子が上がってこないという直前の情報から考えると、53秒03という入江のタイムは決して悪くなかった。米国に拠点を移して全体的にパワーがついた印象で、スタート直後の浮き上がりでのトップとの差も、以前ほどつかずスピードある泳ぎができていたと感じる。体幹がぶれない本来の泳ぎに加え、プル(腕のかき)が改良された印象だ。

 その一方でキックの力強さが、やや欠けていた。前半50メートルは25秒83だったが、これを25秒台前半から中盤にできていれば、表彰台はあった。持ち味である終盤の伸びが物足りなかったのも、キックがフルには機能していなかった影響ではないか。ターン直後の水中でのドルフィンでも差をつけられていた。

 ただし、100メートルの優勝タイム(52秒44)を見るとリオ五輪(51秒97)より遅く、200メートルで一気にタイムが伸びる可能性は高くないと推察する。中1日でキックの微調整をし、ベテランらしい気持ちの切り替えができれば、表彰台の期待は十分あると思う。 (92年バルセロナ五輪男子100メートル平泳ぎ4位、東海学園大水泳部監督)

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2017年7月27日のニュース