是永、顔面出血「金」新採用Sクライミングの「リード」で栄冠

[ 2017年7月25日 05:30 ]

ワールドゲームズ ( 2017年7月23日    ポーランド・ウロツワフ )

スポーツクライミングのリード男子で金メダルを獲得した是永敬一郎
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 2020年東京五輪の追加種目に決まったスポーツクライミングのリード男子で21歳の是永敬一郎が金メダル、20歳の波田悠貴(ともに埼玉県連盟)が銀メダルを獲得した。女子の野口啓代(茨城県連盟)は6位だった。

 笑顔で金メダルを見つめる是永の鼻の下は、血でにじんでいた。両手を離して空中に飛び出し、次のホールド(突起物)をつかむ「ランジ」と呼ばれる動きで、顔面を壁に打ちつけたという。「めちゃくちゃ痛かった。落ちそうになったが、頑張って耐えた。名誉の負傷ですね」。そり立つ壁を力強く、そして誰よりも高くよじ登った。

 クライミングとの出合いは小学5年の時。雑誌で目にした親に勧められて埼玉県川口市のジムで体験し、あっという間にとりこになった。日体大進学後は児童スポーツ教育学部に通いながら「めちゃくちゃ多い」と自負する練習量で世界のトップに仲間入り。日本代表の安井博志ヘッドコーチは「読みが良く、テクニックがある」と身長1メートル60の小柄な体に秘めた才能を高く評価する。

 陸上競技に例えるなら、ボルダリングは瞬発力が問われる短距離走で、リードは前腕の耐久力が求められる長距離走だと言われる。東京五輪の追加種目入りを機に国内でボルダリング人気が高まる中「リードも知ってもらいたい」と願った。

 ▽スポーツクライミング 登った高さを競うリード、完登した課題の数を競うボルダリング、登る速さを競うスピードの3部門があり、東京五輪は3部門全て行う複合で争われる。リードはロープで安全を確保しながら行い、高さ12メートル以上の人工壁に設定されたルートを制限時間以内にどこまで高く登れるかを競う。一般的には予選、準決勝、決勝の3ラウンドで行われる。

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