御嶽海 三役初挑戦の同期宇良退ける、格が違う「自信あった」

[ 2017年7月16日 05:30 ]

大相撲名古屋場所7日目 ( 2017年7月15日    愛知県体育館 )

 関脇・御嶽海が15年春場所の同期入門で同学年、宇良の三役初挑戦を退けた。前相撲から上がってきた初顔に対し、学生横綱とアマ横綱に輝き、幕下付け出しで角界入りしたサラブレッドの貫禄を見せた。全勝は横綱・白鵬と平幕・碧山の2人で、新大関の高安は正代を下して1敗を守った。

 格が違った。御嶽海が“宇良ワザ”を完全に封じ、三役初挑戦の業師を一蹴した。

 「自信はありました。チャンスの時と、チャンスじゃない時をしっかり見極めた」

 この日の朝稽古では相手の攻めを「パターンは一緒」と評し、完全に見切っている様子だった。変幻自在と言われる動きを恐れない。潜ってこようとする宇良を丁寧に下から腕を使って起こし、冷静に押し倒した。

 92年生まれで同学年の2人。大学3年時には全国選抜大学・実業団対抗和歌山大会の無差別級決勝で対戦した。東洋大の御嶽海は、当時体重85キロだった関学大・宇良を退け、「瞬殺。軽かった」と述懐する。それ以来の対戦に「学生時代より強くなった。体重も増えている」と余裕の口ぶり。完敗した宇良も「強くなったと感じてもらえたら」と脱帽するしかなかった。

 土俵に上がる前から堂々としている。御嶽海は先場所までは挑戦者としての気持ちが強すぎて、最後の仕切りに小走りで向かっていた。今場所前、部屋付の山科親方(元小結・大錦)から「三役なんだから最後まで堂々としなさい」と言われ、ゆっくりと歩いて向かうように改めた。「気持ちも大きくなる」と効果は表れている。

 2人に、北勝富士を加えた「15年春場所デビュー組」は次世代スター候補。今場所は3人そろって上位戦も組まれた。御嶽海は「盛り上げていければ」と話した一方で、北勝富士と宇良へ対しては「もう少し番付を上げてからじゃないですかね。先頭に立っていきたい」とプライドがチラリ。新世代の旗手になる気概にあふれていた。

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2017年7月16日のニュース