稀勢 左足首負傷で連続途中休場、八角理事長 完治優先求める

[ 2017年7月15日 05:30 ]

大相撲名古屋場所6日目 ( 2017年7月14日    愛知県体育館 )

稀勢の里の休場について説明する田子ノ浦親方
Photo By スポニチ

 5日目の勢戦で左足首を負傷した横綱・稀勢の里が「左足関節じん帯損傷で約3週間の安静加療を要する」との診断書を提出して6日目から休場。夏場所は左上腕などの負傷で途中休場しており、横綱の連続途中休場は年6場所の58年以降で14人目(16回目)となった。大関・照ノ富士も「左膝半月板損傷で約7週間の休業加療を要する」との診断書を提出して休場した。全勝は白鵬、碧山の2人。1敗は新大関の高安ら5人となった。

 愛知県長久手市の田子ノ浦部屋の稽古場に稀勢の里は姿を現さなかった。代わりに、師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)が報道陣に対応。「休場します。(前日に)病院に行って、状況を話し合って本人と決めた。“相撲を取れる状況ではない”と言っていた。本人も葛藤があったと思うが、思ったような相撲が取れていないし、ケガもしてしまった。ファンにまた強い横綱を見せられるようにしたい」と神妙な面持ちで話した。

 診断書は左足首のじん帯損傷だが、万全でない状態で土俵に上がったため、休場に追い込まれた格好だ。春場所で痛めた左上腕などは思うように回復せず、夏場所は11日目から途中休場。名古屋場所に向けては高安らと稽古を重ねたが、生命線の左おっつけはほとんど見られなかった。出場を決めたものの3日目までに2敗を喫し、5日目の勢戦で左足首を負傷。土俵に上がることに固執したが、それが裏目となった。

 ファンが求めているのは強い横綱。そのためには戦える態勢を整えることが必要だ。八角理事長(元横綱・北勝海)は「考えが甘かった」と苦言を呈しつつ、「きっちり治して出てくること。中途半端はいけない」とケガの完治を優先させることを求めた。復帰場所は来場所にこだわらないかと問われると「そうそう」と答えたように、来場所の全休もやむなしという考えを示した。

 年6場所となった1958年以降、横綱が2場所連続途中休場したのは、今場所の鶴竜に続いて14人目で16回目。その翌場所で10人が全休しているが、7人は復帰した後に賜杯を抱いている。八角理事長は「休む勇気も必要。それも責任」とも話した。稀勢の里には、土俵上で責任を果たす機会がまだまだ残っている。

続きを表示

2017年7月15日のニュース