2回戦敗退の杉田 勝負分かれ目で引き離せず、それでも充実感

[ 2017年7月7日 05:30 ]

テニス ウィンブルドン選手権第4日 男子シングルス2回戦   杉田2―3マナリノ ( 2017年7月6日    英ロンドン・オールイングランド・クラブ )

ウィンブルドン男子シングルス2回戦でマナリノと対戦した杉田(AP)
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 試合の分水嶺は第4セットの出だしにあった。

 「もっとリターンからしっかり作って、自分から行かなきゃいけなかった。相手も疲れていて引き離したかったけど、うまく引き離せなくてやられちゃいました。あそこがキーでした」

 疲れ果てた表情で杉田はうなずいた。

 開始直後はペースが上がらなかったが、第2セット中盤から逆襲に転じた。対照的にマナリノは苛立ち始め、再三警告を受けた。第3セット終了時にベンチに戻る際には、ボールパーソンに肩をぶつける暴挙もあった。

 ここでのポイントペナルティーによって、第4セットの第1ゲーム、杉田が1ポイントリードした状態から始まった。

 芝シーズンに入って1カ月で16試合目。第2、第3セットは「リミッターを外して取りにいった」と言うだけに、体力的な限界が近づいていた。

 第4セットでの決着は勝利の絶対条件。試合の流れも手の内にあった。

 ブレークチャンスは3本つかんだ。しかしあと一本が取りきれない。

 「あそこで決めたかった」

 ガス欠となり、下半身にけいれんが起き始めた。第4セットをタイブレークで落とすと、最終セットは耐えるだけだった。

 この1カ月のうちに、日本男子3人目のツアー優勝、トップ50入りを果たし、4大大会初勝利も手にした。大きく飛躍した1カ月。

 「全体ではいいグラスシーズンだった。かなりポイントを稼いでランキングを上げられたのは自信になる。いい形で来年戻ってきたい」

 3回戦進出はならなかったが、持てる力を全て出し切った充実感を漂わせた。

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2017年7月7日のニュース